250cc~

VTR(MC33) (ホンダ)

VTR

クラシカルな丸目1灯ライトに、車体横を走る特徴的なトレリスフレーム。現行のVTRは国産ネイキッドの中でもデザイン的に頑張っています。ネイキッドバイクが続々と近代的なデザインに切り替わる中、程好いバランス感とホンダならでは高い性能が魅力です。

ホンダ伝統のVツインエンジンを搭載

時代の規制に合わせ、燃料供給がインジェクション化されたり改修され続けていますが、今のVTRに搭載されているMC15Eエンジンの先祖は、1982年発売のVT250Fまで遡ることになります。ここから既に30年以上が経過していることから、2輪におけるホンダエンジンの縮図の様になっています。

MC15EはV型エンジンとしては理想的な90度バンクにシリンダーを配置しています。エンジンが動いている間は2気筒がそれぞれに振動を発するわけですが、クランクピンを共有している90度バンクのVツインでは互いの振動を打ち消す形に働きます。VTRの場合、排気量の少なさも有り特に細かい振動は抑えられています。最大馬力は30馬力10500回転と、同クラスのCBR250Rよりもパワフルで高回転まで回ります。カウルレスのネイキッドバイクの為に車重も160kgと適度に絞られていますし、扱いやすいバーハンドル、前後ディスクブレーキとラジアルタイヤ等車体の素性の良さも合わさって小回りの良さが特に重視されるジムカーナでは第一線で活躍しています。

 


www.youtube.com
V型エンジンの動作を簡単に見たい方にはこういうキットも発売されています。余談ですが、Vツインエンジンはクランクシャフトが短く、単気筒並に幅が細いエンジンです。一般的なパラレルツインと異なり、シリンダーが縦に並ぶ形になる為、スリムなレイアウトに設計が可能になっています。またこのクランクシャフトが短いことで、走行中のジャイロ効果も少なく、VTRの小回りの良さを演出しています。ただし幅が細い代わりに、縦に長くホイールベースを短くしたい時にV型エンジンは問題が発生します。

次にVTRのデザイン面では太いトレリスフレームが目を引きます。特に赤く塗装されたモデルはDUCATIのMonsterに良く似ていますが、これはデザイナーが同じというのは有名な話です。ただしVTRのエンジンは耐久性の高さに定評が有り、バイク便等の商用車としても使われることから長く乗ろうと思った時、圧倒的にこちらがおすすめです。

またホンダらしいライダーへの心遣いが凝縮されたモデルで、755mmとただでさえ乗り易いシート高を更にローダウンして乗ることも可能です。ホンダらしいこだわりが詰まったモデルでも有りますが、これからバイクに乗りたいという初心者ライダーにもおすすめできる懐の深い一台です。

ホンダのVTR-F

多くの面で使い易いVTRですが、ネイキッドバイクのスタイルの為に高速巡航時にはライダーに負担がかかってしまいました。そこでハーフカウルを装着して防風性を高めたのがVTR-F。VTRの特徴であるフレームを隠さない程度にカウルを設置し、ルックスと実用性を確保しています。ライト形状も丸目からVFR顔に変わりました。スクリーンを付けたことで肩から下に当たる走行風を大幅に低減しています。週末のツーリングで高速道路を多く利用される方にはこちらの方が数段負担が少ないです。

Sponsored Link



関連記事

ホンダのバイク一覧に戻る

CB223S (ホンダ)

ST250 (スズキ)