BMWというとある程度経験も予算も有るライダーが乗る大型バイクのイメージが強いですよね。実際ラインナップを見ても大型ばかりなわけですが、今回中型免許でも搭乗出来るネイキッドバイクが登場しました。
313ccと適度な排気量で操っている感覚は十分
見た目はいわゆるストリートファイターのスタイルで21世紀主流のネイキッドバイクのスタイルを取っています。パールホワイトの外装に太い倒立フォークで前方向は迫力が有りますね。シュラウドも最小限でとてもコンパクトに見えます。シート高785mmとBMWのラインナップの中でも低めに設計され、従来の大型バイクが体格とマッチしなかった方(特に女性)には優しいサイズ感をしています。車重158kgと排気量的に近いヤマハのMT-03より少し軽く、取り回しも良さそうです。
ピークパワーは34馬力/9500回転と313ccの水冷単気筒の割には良く回るイメージです。数字的にも単気筒としては良く出ている方だと思います。それなりに排気量が有る為、街乗りでのトルクという意味でも十分な力強さを出してくれるでしょう。マウント位置も工夫されており、シリンダーを後方へ深く傾斜させることでエンジンそのものをフロントホイールへ寄せて低重心化、フロント荷重を増加してネイキッドらしい軽快さを出しています。同時に排気を後方へ向け、前方吸気後方排気のレイアウトとしました。このレイアウトのおかげでダイレクトに吸気を吸い込める為、エンジンの熱の影響が少なくなります。更にエンジン位置をずらした分スイングアームを長く取っており、コーナーリング性能を高めるというエンジンの設計から組み付けまで随所に工夫されています。
足周りは300mmのシングルディスクブレーキにBYBREの4ポットキャリパーをラジアルマウントで装備しました。KTM等にも使われていますが、BYBREということはBremboのアジア向けラインですね。流石に小排気量と言えどBMWだけ有ってしっかりとした物を積んできています。ホイールはアルミニウム製の5本スポークキャストホイールです。極太のリアショックが目を引きますが、リア周りはとてもすっきりとしている印象です。タンクは大きく見えますが11Lと比較的小さいサイズを使用しています。
小排気量で取り回しやすいコンパクトなボディと今までのBMWのネイキッドとは明らかに異なる雰囲気の1台となりました。急速に拡大する東南アジア、インド等の市場を取り込む為のモデルと思われますが、BMWの走りの哲学は十分に感じることの出来るマシンです。
G310Rをベースにしたスタント用モデルのコンセプトも登場しています。キビキビ動く軽快さに長けたバイクですからこういうアレンジも面白いですね。マフラー、ブレーキ、リアシート等スタント用にモデファイされています。