ヤマハの400ccアメリカン、ドラッグスター400。このレベルの排気量になると見た目に相応に走行性能も高まり、どっしりとした大人の走りを味わうことが出来ます。
ドラッグスター400 2010-
ドラッグスター250に比べるとマフラーは2本出しになり、ずっと迫力が増しました。ややスカスカな印象を受けた250に比べると、こちらはぎっしりと詰まった密度感が魅力です。シリンダーヘッドカバーには丁寧にメッキ処理が施され、剥き出しのエンジンを美しく演出します。全体的にメッキ処理されたパーツが多く、視覚的な満足度は高くなっています。リアシート周りの曲線美も素晴らしく、中型免許で乗れる最大排気量の400ccモデルらしい高い質感を作り上げています。
車体の寸法は250と大きく変わりませんが、ホイールベースは1610mmとずっと長くなっています。ロングツーリングを想定するアメリカンにおいて重要な走行時の安定感に寄与しています。タンク容量も15Lと大きく、旅先までノンストップで向かえそうです。反面ホイールベースが長くなるとどうしても小回りが難しくなる傾向に有ります。シート高は660mmと低く、多くの方でべったりと足が付く様になっています。やや重たいバイクですから、しっかり足が着くと安心できますね。
ドラッグスター400のエンジンは399cc空冷V型2気筒で、ピークパワーは30馬力/7500回転となっています。2気筒ですから同じくクラシカルなSR400よりも気持ち高出力です。とはいえアメリカンバイクの特徴は分厚いトルクに有り、ドラッグスター400もアメリカンらしい気持ちの良い加速感に重きを置かれています。
またこのクラスから駆動方式がシャフトドライブになっているのも見逃せないポイントです。スプロケットの交換といったチェーンドライブで良く見られるギア周りの調整が簡単には行えなくなりますが、シャフト周りは密閉された状態でチェーンに比べると注油などメンテナンスの必要が有りません。伝達効率と静粛性に優れる作りをしています。安定した乗り味のアメリカンはロングツーリングに多用される方が多いと思いますし、旅先でのトラブルを防ぐ意味でもシャフトドライブ化は有り難いですね。
車重234kgとドラッグスター250に比べると74kg増加しています。ロングホイールベースと合わさって走りに安定感を加えている感じです。
オプションパーツとしては長さの異なるスクリーン等が用意されています。元々シート高の低い車種ですが、ローダウンキットが設定されており更に50mm下げることが可能です。これだけ下げれば小柄な女性でもかなり対応することが出来るでしょう。車重の重さがちょっとネックですが、250に比べるとエンジンにも余裕が出てくる400は女性にもおすすめできる内容です。