2017年型で一新されたKTMの1290SuperAdventure。Rモデルの追加でオフロードでもフラッグシップモデルらしい力強い走りを発揮してくれます。荷物を抱えた移動も難なくこなすハイパワーバイクとして更に成熟しています。
オンオフどちらも満足させる新フラッグシップ
まずは1290SuperAdventureTから。他のモデルと比べても一際ウインドスクリーンが高く、走行時の防風性に優れたモデルです。足回りの特徴として、1290SuperAdventureTはサスペンションにWP製のセミアクティブサスペンションを採用しています。ホイールはフロント19インチ、リア17インチのスポークホイールを装備したことで、悪路での柔軟性を確保しています。
ブレーキは前後Bremboのキャリパーのおかげで高い基本性能を持っており、その上前後が連動する構造となっています。フロントブレーキの作動に合わせ、リアもわずかに動作を始める仕組みです。ABSにはボッシュの9MEを採用したことで、未舗装路向けにオフロードモードが用意され、悪路での後輪のスライドをある程度許容する他、バンク角を検知してABSの介入を制御するコーナーリングABSとなっています。
エンジンは1301cc水冷V型2気筒。排気量等は前年のモデルから変更は無く、最大出力も160馬力と同等に設計されています。トランスミッションは6速MT仕様。特に6速は高速巡航を想定してオーバードライブギアに設計されている為、高速道路等で高い静粛性と燃費の良さを実現します。またロングツーリングで役立つクルーズコントロールも装備されています。
グリップやシートにもヒーターが設けられ、快適性に優れたツーリングモデルとして高い性能を誇っています。車両重量は222kgと、他のモデルに比べ一段重めの車体です。
次は1290SuperAdventureS。ヘッドライトはこれまでの単眼ライトを二つに割った様な異形になり、更にLEDで縁取ったラインが入っています。
サスペンションは1290SuperAdventureSもWPのセミアクティブサスペンションを前後に採用しています。コンフォート、ストリート、スポーツ、オフロードといった設定をベースに減衰力をECUが最適に調整してくれる優れものです。ブレーキはこちらも1290SuperAdventureT相当にBremboのブレーキシステムやボッシュの制御システムを搭載しています。
1290SuperAdventureSではフロント19インチ、リア17インチのキャストホイールを装備する為、オンロードでの高速走行時にも高い安定性を発揮します。タイヤはピレリ製スコーピオントレイル2を標準装備し、オンオフ両方で不足無いグリップ力を発揮してくれます。また3モデルの中でも最軽量で、215kgとなっているのが特徴です。オフロード派には後述の1290SuperAdventureRがやはりおすすめですが、ほとんどオンロードを走るライダーにはこちらのSの方が頼もしい相棒となりそうですね。
最後は1290SuperAdventureRです。今回オフロードにおける高い耐久性と走行安定性を実現したRモデルが設定されました。こちらの1290SuperAdventureRのみ、サスペンションがWP製の倒立フォークとPDSモノショックの組み合わせになっています。またホイールがフロント21インチ、リア18インチになり、タイヤ銘柄もコンチネンタルのTrail Attack2に変更されているのが特徴です。1290SuperAdventureで21インチを標準装備したことで、ビッグオフファンには嬉しいモデルとなりました。オフロード走行を想定し、地上最低高をこのモデルのみ高く設計したので、シート高も890mmと最も高くなっています。