ZERO MOTORCYCLESの軽快なスーパーモタードがこのFX S。オフロード仕様だったFXのパーツを換装し、オンロードでの高い走行性能を獲得しています。
ZERO MOTORCYCLES自慢のスーパーモタード
見た目は17インチのキャストホイールになっている点やシュラウドのロゴが変更されている以外はFXとそこまで目立った違いは有りません。丸目2灯のヘッドライトはカスタムバイクの様なスパルタンな雰囲気を放っています。
サスペンションはSHOWA製の倒立フォークとモノショックの組み合わせ。ストローク量はフロント178mm、リア227mmに調整されています。オフロードバイクのFXに比べると、オンロードでの安定性を考慮した数字に見直されているのが特徴です。ブレーキにはスペインのパーツメーカー、J-Juanのキャリパーを前後に装備しています。ブレーキディスク径もこちらは320mmと240mmという比較的大径のディスクを組み合わせる形です。ホイールは前述の通り、17インチのキャストホイールになったことで、オンロードにおける高い剛性を獲得しており、よりハイスピードのコーナーリングに対応します。タイヤはピレリのDiablo Rosso IIで、FXに使用されていたSCORPION MT90/ATに比べると、オンロードにおけるグリップ力は大きく向上しています。
搭載されているZ-ForceモーターもFXと同等で、27馬力/4300回転と軽量な車体には十分な数字です。バッテリーの容量の大きいグレードでは46馬力まで上昇するので、一般道における出力としては十分でしょう。FX Sの最高速は137km/hまで伸びる為、日本国内でしたら大きな不足の無いスペックです。リアホイールの駆動はPoly Chain HTD カーボンベルトを介したベルトドライブ式となっています。フレームは航空機グレードのアルミニウムを使用したトラスフレームを採用しています。
シート高は836mmで、そこまで極端な高さとはなっていません。日本人でも両足着く方は珍しくないと思います。バッテリーの持ち時間としては72kmから145kmとFXよりも少しだけ長くなっています。車両重量はバッテリーの容量に応じて114kgから133kgとなります。FX Sも非常に軽量に仕上がっており、自在に操作出来るスーパーモタードらしさを重視される方にはぴったりな一台と言えるでしょう。
価格はグレードに応じて約100万円から130万円くらいに設定されています。バッテリーの容量によって走行可能な距離に2倍の開きが有る為、ツーリングにも使いたい方は出力にも優れる大容量モデルを自ずと選ぶ形になるかと思います。一方、バッテリー容量の少ないZF3.3グレードの場合、バッテリー交換を想定した設計がなされている為、軽さ重視のサーキットユーザー等には好まれそうです。