2017年仕様でマイナーチェンジしたカワサキのフルカウルツアラー、Ninja650。レース由来のKRTカラーの似合う鋭いフォルムに生まれ変わりました。
より軽快さを追求したミドルクラスツアラー
スタイリングはやや丸みの有った先代に比べると直線的な尖ったシルエットになっています。またこれまでNinja650で特徴的だった鋼管のフレームやオフセットレイダウンリアサスペンションは今回は見直されています。
ハンドル高の高い独特な形状のセパレートハンドルとの組み合わせで、走行時の負担も少ないツアラーらしいポジションにまとめられています。走行風を遮るスクリーンも高さの調整が可能な仕組みです。タンク容量は1L減少した15L。それでもツーリングに使うには十分な容量です。
普段使いしやすい設計に、フルカウルのスポーツバイクらしいスポーティな見た目や運動性能が上手くミックスされており、これ一台でツーリングからちょっとしたスポーツ走行まで幅広く使える便利な一台として成熟しています。
メーター類には反転液晶が使われていたり、新型は細部のデザインにもかなり気を使われている印象です。レッドゾーンは10000回転からに設定されており、アクセルを大きく開ける楽しみも十分です。
ちょっとぼってりしたリアシートはシングルシートカウルで隠せば見た目もスッキリします。サイドバッグ等、ツーリングに役立つアクセサリーが揃っていますが、新型のスポーティな雰囲気を引き立てるには良いアイテムです。
サスペンションは、フロントにφ41の正立フォークを使用し、リアにはカワサキ独自のホリゾンタルバックリンクリヤサスペンションを採用しています。従来のオフセットレイダウンリアサスペンションに比べるとマスの集中化で運動性を上げたい時に有利に働きます。
ブレーキはフロント300mmのダブルディスク、リア220mmのシングルディスク仕様になっています。ホイールは前後17インチ、タイヤサイズは前120/70-17、後160/60-17です。
エンジンは649ccの水冷並列2気筒。ボアストロークは83mm×60mm、圧縮比は10.8:1と、この辺りは変わっていません。最大出力は68.2馬力/8000回転と数馬力落ちる形になっています。その代わり最大トルクは6.69kg-mと上昇しました。スーパースポーツのZX-6Rに比べ、こちらはより低速トルクが厚く扱い易い方向を目指しているのが特徴です。
トランスミッションは6速MT仕様。アシスト&スリッパークラッチでシフトダウン時の挙動の乱れを抑えて、快適性を高めています。フレームはハイテン鋼を用いたトラスフレームになっています。フレームが新設計の物に置き換わったことで、今回のNinja650では車両重量が193kgと先代に比べて大きく軽量化が行われました。その為、ハンドリングの素直さ、軽快さ、剛性感は過去のモデルに比べても高まっています。シート高も790mmと低く再設計され、スポーティな見た目に反してかなり足付き性の良いマシンです。