アプリリアより小排気量のモタードバイク、SX50。49.9ccの2ストロークエンジンを採用したことで、4ストロークマシンとは異なる独特のフィーリングを感じさせてくれます。
アプリリアの50ccモタード
車体は125ccクラスのサイズ感で、パッと見た感じでは50ccのミニバイクという感じでは有りません。日本円で40万円程のマシンですから、小排気量車にありがちなチープさは抑えられています。全体的に無駄を省きつつ、スタイリッシュな見た目に仕上げてあり、競合と比較しても垢抜けた感じが魅力的です。
サスペンションはφ41の正立フォーク、リアはモノショックをハイテン鋼のスイングアームに繋げています。ストローク量はフロント195mm、リア180mmに設定され、モタードが想定する荒れた路面でも適度に衝撃を吸収する様に設計されています。ブレーキはフロントが300mm、あるいは260mmのシングルディスク、リアは180mmのディスクを装備します。ブレーキラインにはメッシュホースを純正で装備することで、コントロール性やフィーリングを向上しています。ホイールはアルミ製の17インチで、タイヤは100/80-17、130/70-17のチューブレスラジアルタイヤを装着する仕様です。
SX50のエンジンは、49.9cc2ストローク水冷単気筒。ボアストロークは39.88×40.0mm、圧縮比は11.5:1となっています。エンジンは非常に小さいですが、大きなチャンバーが前に垂れ下がっており、いかにも2ストロークエンジンらしい外見です。燃料を供給するキャブレターはデロルトのPVHA17.5を使用します。吸気ポートには、細かく開閉するリードバルブを設けて、混合気の逆流を防いでいます。トランスミッションは6速MT仕様です。始動にバッテリー等は用いず、キック式オンリーになっているのもSX50の特徴です。フレームはハイテン鋼のペリメターフレームを採用しています。シートは高さ830mmのフラットなシートで、50ccクラスと考えるとやや高いですが、欧州車としては割と低めな印象です。車両重量は、乾燥重量98kgと軽く、モタードスタイルのおかげで重心も高いことから非常に曲げ易い車体になっています。ただし細みな車体に合わせ、燃料タンクは7Lと小型な為、ツーリングに使うには少し容量が心許ないかもしれません。50ccと免許に縛りが緩い排気量の割に、しっかりとスポーツ走行も楽しめる作りに設計されたアプリリアらしいホットな一台な為、モタード好き、ライトウェイトスポーツ好きなら楽しめるでしょう。