2012年に新たなミドルクラスとしてラインナップに追加されたのが、このストリートファイター848です。同クラスのスーパースポーツ、スーパーバイク848EVOをベースに走行性能重視のネイキッドバイクとして完成しています。
ストリートファイター848 2012-2015
見た目はより排気量の大きいストリートファイターシリーズとそっくりで、外観だけを見ると両者の区別が付かないくらいです。よく見ると足回りのパーツは差が付けられているのですが、このシリーズに詳しくない方には一目で見分けるのは難しいかもしれません。
車体サイズもほぼ同じで、シート高やホイールベースまで同一になっています。ベースとなった848EVOと比較するとホイールベースは1475mmに伸長されており、直進安定性も担保する設計となっています。
サスペンションはフロントにマルゾッキ製のφ43倒立フォーク、リアにザックス製のフルアジャスタブルモノショックを搭載します。
ブレーキはフロントに320mmのダブルディスクとブレンボ製4ピストンラジアルマウントキャリパー、リアは245mmのシングルディスクにブレンボの2ピストンキャリパーを装備しています。
ホイールは前後17インチ。タイヤはピレリのディアブロ・ロッソ・コルサをフロント120/70-17、リアに180/80-17のサイズで装着します。大排気量モデルと外見的な差異の少ないストリートファイター848ですが、リアタイヤのサイズはわずかに細くなっています。
エンジンは849cc水冷L型2気筒のテスタストレッタ11°。ボアストロークは94×61.2mm、圧縮比は13.2:1です。スーパースポーツの848EVOに比べると、バルブのオーバーラップ角が狭く調整され、このバイクが多用するであろう低回転時の安定性を高めています。
最高出力は本国仕様で132馬力/10000回転、最大トルクは9.5kg・m/9500回転に設計されています。国内仕様に関しては本来の数字からやや落として117馬力/9250回転、9.25kg・m/9000回転に調整を受けていますが、極端なパワーダウンは避けられています。
フレームは専用に設計されたスチールパイプのトラスフレーム。トランスミッションは6速MTです。またそれまでのストリートファイターが乾式クラッチを採用していたのに対し、ストリートファイター848では湿式クラッチを採用しています。
先行して発売された1098のストリートファイターに比べると、電子制御は最初から充実しており、DTC(Ducati Traction Control)やDDAといった装備が標準装備されています。特にDTCは今では当たり前になった装備ですが、サーキット走行で限界までグリップを引き出したいときや、冬場や雨に濡れた路面に不安を覚えるときまで広くライダーをフォローする仕組みになっています。