F3 675から排気量アップしたF3 800。レースで使われる675とは別にミドルクラスとして多くのライダーに扱い易いモデルを目指して設定されました。
800ccの3気筒SS
スタイリングはF3 675同様の菱形の単眼ライトが特徴的です。フレームは見た目も鮮やかなALSスチールパイプ製トラスフレーム。サスペンションはフロント側がMARZOCCHI製43φ倒立フォーク、リアはザックス製モノショックで、どちらも減衰力の調整が可能です。ブレーキはフロントに320mmのダブルフローティングディスクとBrembo製モノブロックキャリパー、リアは220mmのシングルディスクにBremboの2ピストンキャリパーを使用しています。タイヤサイズは120/70-17と180/55-17の組み合わせです。
F3 800のエンジンは798ccの水冷並列3気筒。圧縮比は13.3:1。ボアストロークは79×54.3mmとF3 675からボアはそのままにストロークアップして排気量を拡大しています。ピークパワーは148馬力/13000回転と、20馬力向上しました。クランクシャフトがタイヤと逆向きに回転する、逆回転クランクであることも大きな特徴です。クランクシャフトの回転によってパッケージ全体のジャイロ効果は低減し、SSに要求されるクイックな旋回性にプラス材料になります。直進安定性が減少しますが、とにかくハイスピードなコーナーリングを求められるSSではあまり問題にされません。
電子制御面では、トラクションコントロール等を盛り込んだMVICSを搭載しています。ライディングモードはノーマル、スポーツ、レインに加え、ライダーが自分で調整するカスタムモードが用意されました。スポーツ走行に非常にこだわりの有る方にはカスタムで調整していくのが良いでしょう。また加速時のアクセル操作・シフト操作を簡略化するMV AGUSTAのクイックシフター、EAS (Electronically Assisted Shift)が標準装備され、より素早い加速を実現します。
こちらは限定仕様車のF3 800 AGO。イタリアメーカーらしいトリコローレカラーにペイントされています。フェンダーは前後カーボンになり、アルミホイールも鍛造アルミで軽量化されました。ベースモデルのF3 800に比べると乾燥重量で2kg落とした171kgとなっています。
更に先日発売された最上位モデルのF3 800 RC。全世界で250台しか作られていない限定モデルです。MV AGUSTAのワークスマシンを連想させるスポーティなペイントに、WSSライダーのサインが入っています。アルマイト加工されたアルミクラッチ/ブレーキレバーやフットペグ、シートカウル等、レーシングマシンのディティールを忠実に再現した仕様です。
専用プレートやスタンド等、付属品も豪華な仕様でお値段は220万円と800ccクラスとしてはかなりの高額です。しかしMV AGUSTAファンにはたまらないスペシャルな内容になっていますから、お財布が許す限り購入したいモデルですね。