ホンダモトクロッサーのフラッグシップモデル、CRF450Rが2017年よりフルモデルチェンジしました。従来よりも更に速いスタートダッシュを決めることの出来るハイパフォーマンスを追及しています。
CRF450R 2017-
シュラウドのグラフィックは、白地のCRFのロゴが大きく入る爽やかなもの。レッドとホワイトの配色で、明るい見た目に仕上げています。フォークガードも赤く塗られ、若干雰囲気を変えてきていますね。
サスペンションはこの2017年モデルからKYBからSHOWAのサスペンションに変わっています。それまではホンダも他社同様エアサスペンションを導入していましたが、ユーザーからの要望は金属製のスプリングの方が強く、SHOWAが新開発したスプリングを搭載し、49φの極太フォークにフリクションロスの少ないDLCコーティングを行っています。リアもSHOWA製シングルショックで、前後共に減衰力調整式です。
ブレーキはフロント260mmに2ピストンキャリパー、リア240mmのシングルピストンキャリパーを装備します。そのどちらにも破損を防ぐディスクガードが設けられています。ホイールはフロント21インチ、リアが19インチ。タイヤにはDUNLOP製GEOMAX MX3Sを装着します。
エンジンはレースレギュレーションに合わせた449cc4ストローク水冷単気筒。ボアストロークは96mm×62.1mm、圧縮比は13.5:1となっています。2016年に比べ、ピークパワーを伸ばしつつ、全域でトルクアップしました。ライディングモードはスタンダード、スムース、アグレッシブと用意され、ハンドルバーのスイッチで切り替える仕様です。
吸気には38mmのチタンバルブ、排気は31mmのスチールバルブを使用しています。1本のカムシャフトとロッカーアームで4バルブを起動するユニカムバルブトレインを踏襲していますが、吸気カムとバルブの間にもロッカーアームを追加する新構造を採用しています。それによりバルブ挟み角が減少し、シリンダーヘッドはよりコンパクトになりました。吸気管は湾曲の少ないダウンドラフト構造へと見直し、吸気効率を高め、このモデルのトルクアップに貢献しています。フレームは新設計のアルミツインスパーフレームで、更に低重心化しています。エンジンオイルを圧送するオイルタンクも新型形状になり、エンジン周りをコンパクトにしました。マフラーは左右2本出しで車体の重量バランスを整えつつ、長さも切り詰めてマスの集中化に一役買っています。燃料タンクはモトクロッサーに良く見られる樹脂製タンクではなく、更に薄く頑丈なチタン製に置き換えられたのが特徴です。トランスミッションはクロスレシオの5速MT仕様で、スプロケットは13T/49Tとなります。
更にエンデューロ仕様のCRF450RXも用意されています。足回りのセッティングはRX特別仕様に再調整されています。こちらの場合、リアホイールが18インチに置き換えられ、タイヤもDUNLOPのGeomax AT81に変わりました。ボディの変更点としては、エンジンハンガー等を交換し、バランスを調整しています。燃料タンクはCRF450Rの様なチタン製では有りませんが、その分大型化され、約8.4Lと航続距離を伸ばしています。車重は118kgとCRF450Rに比べるとわずかに増加しました。始動方法は一般的なキック式に加え、セルモーターとバッテリーも搭載し、より素早く再始動が可能になっています。