ヤマハが製造するマッスルバイクことV-MAX。超重量級のボディと、胸のすく加速感でヤマハのベストセラーとなっています。
1679ccV型エンジンのスーパーバイク
ヤマハVMAXが最初に発売されたのは1985年。発売から30周年を迎えますが、独特なスタイリングで古い初期モデルも今だに人気を誇っています。V型エンジンの迫力有るスタイリングが特徴であり、ドラッグレースなどにも良く使用されます。1985年の初代モデルは世界最強の馬力を誇っており、現行モデルもそれを継承して、国内仕様の最大馬力を誇るバイクといわれてます。バイクの名称の通り、名前負けをしないようなハイパワーを搭載したバイクとして仕上げられています。非常に重厚な車体の重量は311kgとヤマハのラインナップの中でも屈指の重量級マシンです。
酸化チタンコーティングでフリクションを低減したフロントフォークはインナーチューブが52φも有るのですが、車体が巨大な為にこれでも細身に見えます。ブレーキは前320mm後298mmの大径ディスクと6ポットキャリパーの組み合わせで重たい車体を強力に制動する仕組みです。ホイールは前後18インチ。フロントタイヤは120/70-18、リアタイヤは200/50-18となっています。特にリアタイヤに関しては極太と言える程太いサイズを履いており、後姿の重厚感にも繋がっています。
現行のバイクは2008年に、23年目で初めてフルモデルチェンジが行われたバイクです。設計を見直す段階で、同社スーパースポーツのYZF-R1の技術を応用しています。エンジン排気量については従来の1,200ccから1,700ccと大幅に増大し、輸出タイプは200馬力です。国内仕様に関してはVMAXもご他聞に漏れず、規制の影響で馬力は落ちましたが、それでも151もの馬力を出せます。また最高速度には、日本の法律に合わせ180kmリミッターが設置されています。
VMAXはその名称の通り、1699cc水冷V型4気筒エンジンを搭載しています。最高出力は国内仕様で151馬力/7500回転、最大トルクは15.1kg-m/6000回転です。逆車に関しては200馬力/9000回転、トルクは17kg-m/6500回転となります。バイクとしては異例の排気量のエンジンだけあって、トルクの数字が極めて高いのが特徴です。またV-MAXのボアストロークは90×66mmと意外な程ショートストロークで、最大馬力を発生させる為に高回転までしっかり回す設計をしています。低回転時のトルクの厚さも勿論ですが、それを上まで回していった時の息の長い加速フィールをライダーが感じることの出来る様になっています。トランスミッションは5速MT、パワーの伝達には湿式クラッチを使用しています。燃料の供給方式はフューエルインジェクション、エンジンは専用のダイヤモンドフレームにマウントされます。現行VMAXでは、ボディー剛性も見直され、オールアルミフレームを採用しています。車両のボディー剛性を保持するために車両重量は300kgを超え、ハイスペック化に伴い価格も高額になっています。
車重が重た過ぎる為、小回りが重要になる近所の街乗りや通勤、通学には適していませんが、エンジンパワーの余裕は相当有りますから、ツーリング用途には最適です。またシート高は775mmと低く抑えられ、足着き性は良好な作りをしています。公道での実用速度域での加速、またスピードも十分に堪能でき、乗り心地の良い国産バイクといえます。