コンパクトなボディと軽量化でビッグスクーターの中でも取り回しの良さ、軽快さを重視したフェイズ。装備の追加で価格がアップしていたビッグスクーター市場の中でお手頃感とスポーティさが上手くミックスされています。
フェイズ(MF11) 2009-
フェイズの制作コンセプトは「My Personal comfortable Mover」で、ビッグスクーターの持つ街乗り時の快適性に加え、250ccのエンジンが持つ加速性能の良さも追求しています。ホンダが「Compact&Dominate」と表現したボディは、コンパクトさを重視しつつ、小振りの単眼ライトなどで外観面でも特徴が有ります。
シート部分はヒンジ式で開閉するラゲッジスペースになっており、その容量は約50L。フルフェイスのヘルメット+荷物を収納する余裕が有ります。アクセスしやすいフロントのグローブボックスは各3Lの容量が備えられています。
ブレーキは前後ディスクブレーキ。フロントには3ピストンのキャリパーを装備して制動力を高めた他、前後連動のコンビブレーキを併用することで安全かつスムーズにブレーキをかけることが出来ます。更にホンダのコンバインドABS仕様車も設定されており、急な制動時により高い安全性能を発揮します。またABS仕様ではキャリパーがゴールドになっています。ホイールは前後13インチ、タイヤサイズはフロント110/90-13、リア140/70-13です。
エンジンは248cc4ストローク水冷単気筒のMF11E。ボアストロークは68mm×68.5mm、圧縮比は10.2:1です。最大出力は23馬力/7500回転、最大トルク2.3kg・m/6000回転になっています。同社フォルツァのエンジンを流用していますが、吸排気系の改良でフェイズの出力は更に向上しています。燃費も250ccクラスの単気筒の為、41km/Lと悪くありません。このグレードではトランスミッションは無段変速のVマチックとなっています。
フレームはこれもフォルツァベースのバックボーンフレーム。フェイズ用にリア周りを改修し軽量化、更にCCリンクの追加で乗車時の安定性も向上しています。コンパクト化したことで、フェイズの車両重量はこのクラスのライバルと比較しても良好な180kg(ABS仕様は183kg)です。
フェイズ Type-S 2009-
またフェイズにはスポーツ色の強いタイプSもラインナップされました。
ホワイトのボディをベースに、ホワイトのメーター文字盤、キャリパーのゴールド塗装や赤いリアスプリング、シートのバイピングなど見た目のスポーティさはベースグレードよりも更に上昇しています。
また変速にHonda Sマチック EVOを採用したことが大きなポイントです。新たに加えられたS7モードは、変速時により高回転まで引っ張ることで強いパワー感を得られるようにホンダがチューニングを施したタイプS専用のモードになります。またS7モードよりも回転数を下げてツーリング適性を高めたAモード、静粛性・燃費に優れるDモードが設定され、幅広い用途で元気の良さを見せてくれます。ただしオートシフトの性能を追求した結果、Type-Sではマニュアルモードはカットされました。