ヨーロッパのヤマハから発売されている小粒でピリリと辛いモタードモデル。WR125Xは125ccながらフルサイズの車体とシャープなデザインが魅力的な1台です。
WR125X 2008-
17インチのオンロードタイヤを履くモタードモデルとして、街中でも映える洗練された雰囲気を出してくる辺りは流石のヤマハ。ライト周りのデザインも兄弟のWR125Rと微妙に変えることで、鋭さの増した面構えとしています。フェンダーも小さくスッと伸びた形で全体を上手く引き締めています。ヤマハではスクランブラーという表現を使っていますが、確かに都会の街並みが似合いそうなお洒落さです。
フルサイズと言うことで137kgと車重はやや重めです。同じく125ccのカワサキ D-Tracker125が113kgですからかなり離されてしまっています。しかしWR125Xの方が車体は一回り大きく、乗車時の窮屈感は少ないです。シート高は835mmとオフロードベースとはいえ、乗りやすくなっています。ただ250ccのWR250Xより重いわけですから、ちょっと非力さが出てしまうかもしれません。小回りの良さが魅力のモタードバイクらしく超ショートホイールベースかと思いきや、1430mmと意外に長めの設計で直進性は担保されている様です。タンク容量は8.5LとSS程では有りませんが、この手のバイクとしてはそこそこ大きめを使っていると言えます。
FIで燃料供給する水冷4ストローク単気筒エンジンはヨーロッパの免許制度上限一杯の15馬力を9000回転で発生させます。スペック的にはYZF-R125やMT-125と同等になります。ミッションは6速MTを採用している為、125ccでも少し上のギアに余裕が有るかなと思います。15馬力有ればワインディングでは十分なペースを作れるでしょう。
ブレーキディスクもWR125Xは298mmと17インチに合ったより大型の物を使用しています。意外なことにフォークは正立フォークを使用しています。YZF-R125等は倒立フォークを採用していますが、SSからモタードにフォークの流用は難しかったか、あるいはここはこれが良いということなのか。
価格は日本円で60万クラスと125ccとしては非常に高額な一台です。ヤマハの125ccはYZF-R125、MT-125しかり、ヨーロッパ圏の需要に応える形で本格化な作りを優先している為、小排気量だから安いということは無いですね。WR250Xも250ccの中では高額車種ですが、こちらもかなりのものです。現在125ccをほとんど国内導入していませんが、ヤマハとしては現行125ccは国内向けとしては高過ぎて売れないという判断なのでしょうか。国内では新車中古車問わずほとんど見ることの無い車種ですし、もし乗る機会が有れば凄くラッキーです。