コンデジの魅力はなんと言っても普段ポケットに収納しておけるコンパクトさ。というわけで小振りなサイズと高画質の両立を目指したCanonのG9Xを今回試してみました。
1.0型センサーに光学3倍ズーム
まずG9Xのセンサーは高級コンデジのスタンダードである1.0型の大型センサーを採用しています。基本的にセンサーサイズは大きい方が光を多くを集められる為に明るく、高精細に長けた写真を撮ることが出来ます。しかしボディのサイズやコストに大きな制約の有るコンデジでは中々大型のセンサーを搭載するというのは難しいのも事実です。G9Xのセンサーは一眼レフには及びませんが、コンデジの中ではかなり大きいサイズを使用しています。夜景の撮影にも対応しており、三脚を使って星空の撮影にも使えます。一方ボディサイズに関してはかなり絞っており、旅行用の鞄に忍ばせても邪魔にならない大きさを実現しています。重量も209gと手に持って歩くには優しい重さですね。
このクラスは画質と同時に所有した時の高級感も重視されるので、デザイン面は凝っています。この革に見えるグリップは樹脂に特殊塗装を施すことで、革らしい凹凸を再現した物です。金属部分の肌触りも良く、市場価格で4万円弱のカメラとしては悪く有りません。扱いやすい、ちょっと良いカメラを求める方にはかなり向いていると言えるでしょう。
Wi-Fi周りの機能は充実しており、スマートフォンからのリモートコントロールや撮影した写真をクラウド上で管理することが出来ます。Webへの対応がしっかりしており、SNSへのシェアも容易です。
少し日陰の花を撮影してみましたが、明るさには全く問題有りません。ピントも合わせやすく、ササッと写真を撮りたい時に活躍してくれます。ただコンパクトなボディと引き換えにズーム倍率は控えめになっており、被写体にはかなり接近しないといけません。コントローラーリングの質感はそこそこですが、G9Xは背面液晶がタッチパネルになっており、そちらの操作性は非常に高い印象でした。
今度は傍らに有った熊の置物を撮影してみました。顔の影のせいで表情が微妙に怖い…。細かい凹凸も残らず表現されており、実際のゴツゴツした質感が良くわかります。小さいカメラですが、ブログに掲載するレベルに使うなら十分過ぎる画質です。
赤や黄色等ビビッドな色の発色も優れています。G9Xは綺麗なボケ具合も売りの一つなのですが、今回は極端なボケを出す機会が有りませんでした。撮影した印象ではメリハリの効いた感じというよりは、自然なボケ具合が出てきます。後々データを確認しても、妙な癖の様な物は感じませんでした。ただ今回ローアングルな写真が多かったので、出来ればこの手の構図ならバリアングル液晶が有ると凄く便利です。