制作を続けていた隼のフルラッピングがようやくイラストの設置まで終わり、痛車らしい形となったので車体全体を公開します。
広いし凹凸が激しいしで総施工時間としては20時間以上かかる大工事になりました。
タイヤがミシュランだったのでビバンダム君はシャレで付けています。
フロントフェンダー、シングルシート、ガソリンタンクと少しずつ進めてきた隼のラッピングもようやく全体のラッピングが完成です。
正確に言うと写真の状態は形状を加熱するポストヒーティングをまだかけていません。その前にエンブレムとネジをカットして完成としたのはシートの縮みを計算に入れておらず、不覚でした。
一部ネジ部を切っていなかったのですが、そちらの方が仕上がりが綺麗です。
今回DIYでバイクをフルラッピングしてみようと始めた企画でしたが、予想以上に難しい作業で、凹凸に合わせて切ったり貼ったりの連続でした。
ひとまず仕上がってほっとしています。
今回の制作に協力して頂いた方々
イラストは普段お世話になっているジッツさんからメヒティルトのイラストを描き下ろして頂きました。
上下幅1mも有る大判サイズで印刷されたため、1枚辺りの価格も高く、貼り込むのにとにかく気を使いました…。
高さを変えれば印象が変わるかと期待しましたが、写真だと巨大さがイマイチ伝わらないのが残念です。
隼は全長2140mm、全高1155mm有るので、実物はかなりの巨体です。
ラッピングシートへの印刷は普段お世話になっているのらいも工房様へお願いしています。
この場合、一番値の張るグレードの3Dラッピングフィルムを指定します。
このシートは3Mの1080などと比べても格段に薄く伸びが良いので、大変作業性に優れています。
バイクのカウルの様に凹凸の激しい物に貼るならこの素材が断然おすすめです。
これだけ大面積でも感動的なくらい貼り易かったです。
またキャラクターのラッピングとは直接関係有りませんが、今回痛車制作の1号車ということで、スクリーンに1番ゼッケンを用意してみました。
フォントはhaettenschweilerを使用しています。
海外でのレースカーのフォントの使用事情なども調べても、特にゼッケンのフォントにこれという決まりは無い様です。
実はアッパーカウルまで当初全部シルバーに塗り替える予定を急遽2トーンに変更しています。
これはヘッドライト付近のくぼみはラッピングで貼り込むのは形状的にも技術的にもちょっと不可能だったからです…。
そのため、ライト周りにボディ色のブルーを活かして2トーン仕上げました。ヘッドライト部分を縁取ると隼の顔つきが変わりますね。
補足事項ですが、今までナイフレステープは2枚重ねてもカット出来るフィニッシュラインを使用していましたが、今回の様に切断する範囲が広いと切断面が乱れるのにちょっと困りました。
切断力はやや落ちますがデザインラインでカットした方が良いかも知れません。
あとヒートガンは絶対必要です。これ無しで今回サイドカウルを仕上げることは不可能でした。
仕上げにも使えるので、ドライヤーより火力の強いヒートガンが安心です。
隼のボディは2種類ある
ここからは今回ラッピングした隼に関して少し紹介です。
隼は外見が大きく変わるマイナーチェンジを一度実施しており、2007年式までの旧型ボディと、2008年以降の新型ボディが存在します。
こちらが今回使用した旧型ボディです。カウル全体がなだらかにつながっていてフラットな面積が広いのが特徴です。アンダーカウルからヘッドライト周りまでイラストを広く貼り込むことが出来ます。
次にこちらが新型ボディ。比べてみるとヘッドライトやサイドカウル、リアシートカウルにかなり段差が有るのがおわかり頂けると思います。
この2種類のボディをラッピングベースと考えた時、段差が少ないけど凹凸が多いのが旧型、段差が多いけど凹凸が少ないのが新型となっています。
比べると新型ボディはエアダクト周りの凹凸がもう少しフラットな感じなんですね。
旧型を使用してみた印象としては、凹凸の少ない新型の方が多少段差でイラストに歪みが出てしまう代わりにシートを貼るのは簡単かなと感じました。
いずれにせよこのサイズのカウルに施工するのは凄い大変なので、気軽に作りたい方は250ccクラスがおすすめ…。CBR250Rとか、良いよね。
ちなみに施工の難易度としては、
タンク
↓
フェンダー
↓
サイドカウル
↓
アッパーカウル
↓
リアシートカウル
の順で難易度が上がっていきます。リアシートカウルは複数枚にシートを分割しても綺麗に貼り込むのが難しい極めて厄介なゾーンでした。
アッパーカウルも見た目以上に難しく、分割無しに貼ることは出来ませんでした。ミラーは外して施工するのがおすすめです。