ワコーズが販売するフューエルワンはエンジン用の添加剤の中では恐らく一番の人気商品ではないでしょうか?あまりメンテナンスに詳しくない方でも、この青い缶はオートバックスやガソリンスタンド等、どこかで見た事が有ると思います。念の為、レッドブルではありませんので誤飲に注意しましょう。
コストパフォーマンス最高
フューエルワンは1本辺り300mlで約1500円です。見た目はコーラの瓶と同じくらいのサイズですから、ちょっとお高い感じは否めません。
しかしフューエルワンはバイクに使用するのなら、1回で使い切ることはあまり無いので結局お得です。ワコーズによれば、フューエルワンはエンジンタンク内のガソリンに対し1%まで混合して良いことになっています。メーカーでは50Lのガソリンに300ml1本を推奨しています。ということは、10Lタンク満タンの状態で最高100mlを消費するわけですから、1本で3回使える計算です。1回の洗浄辺りのコストが500円と考えると、たまにやるメンテナンスとしてはコストはかなり安めです。タンクに規定の分量を流し込むだけなので大した手間もかかりません。本格的に洗浄されたい方は給油の度に注いで使い切るのが効果的な様です。
ホンダのモンキーみたいな5Lクラスの小さいタンクのバイクになると、もっともっと使えるわけですからコストパフォーマンスの良さが光ります。
支持されるのも頷ける確実な効果
製造元のワコーズによると、フューエルワンには高性能洗浄剤のPEAが配合されており、それがインジェクションや給排気バルブに付着したカーボン等のしつこい汚れを除去し、タンク内の錆も防止する効果があるそうです。タンク内に添加後800kmの走行で、上の画像の様にバルブ周りのカーボンが飛んで綺麗になるとのこと。私を含む、エンジンを開けれない多くのライダーにはその真偽の程を確認する術は有りませんが、実感的には800kmも走らなくてもそれなりに効果は出ている気がします。
今回YZF-R15とセロー250の両方に注ぎましたが、まず寒い日の始動性が大幅に改善しました。特にセローに関して言えば、早朝の気温の低い時にセルを回した時の始動具合がどうもおかしかったのですが、フューエルワンを入れてしばらく走行した後はこの症状が落ち着きました。YZF-R15も同様に、一発始動で安定しています。始動性の改善はフューエルワンの使用報告で良く言われますが、はっきりと効果を体感できるレベルです。
回転のスムーズさに関して言えば、少しだけ良くなったかな、というレベルです。気にしないとわからないくらいの差に留まっています。あまり性能アップという点には期待せず、日ごろのメンテナンスの一環としてお使いになられるのが良いでしょう。燃費向上にも効果が有るはずなのですが、今の所はっきりと上がったという数字が出ていません。燃費にこだわる方は普段からエコ走行を心がけた方が余程効果が有ると思います。
最近何となくエンジン不調だな、走行距離かなりいっちゃったな、という方はエンジン内部の洗浄の為に使用してみるとそれまで気になっていた症状が改善する可能性が有ります。
入れすぎるとかえって良くない
ここに注意しないといけませんが、フューエルワンは入れすぎることには注意が必要です。セローの場合、ガソリンメーターが無いのでタンク内の残量を目分量で確認することしか出来ません。そんなに多く入れたつもりは無かったのですが、添加後すぐにアイドリング不調に襲われました。ゴトゴトと妙な音が出ていたので、対策としてガソリンを追加で給油しフューエルワンを希釈する作戦を取ったところ、症状は落ち着きました。パッケージにも1%を超える量は入れないでくださいとはっきり記載されていますから、多めに入れれば効果出るだろ、と余分に入れるのはやめましょう。300mlの缶から適切な量を注ぐには、別に秤を用意しておくと間違いが有りません。
あまりお金のいらないメンテナンス術では有りますが、用法・容量を守って楽しくお使い下さい。