150ccバイクが持っていて、125cc以下のバイクに持っていないものといえば、高速道路を走行する権利が挙げられます。ここしばらく他県への移動を含めた長距離ツーリングに出かけたりしているのですが、やはり下道オンリーよりも高速を走ってしまった方が到着時間は圧倒的に早いですよね。しかしそれなりの回数をこなした結果、私個人では150ccバイクで高速を走るのはやはり止めておいた方が良いという結論に至りました。長時間の走行にはそれなりの覚悟が必要になりますので、実走行に基づいた注意点を掲載させて頂きます。
目次
横風にめっぽう弱い
愛知から西日本方面へ抜けていくには、伊勢湾岸自動車道辺りが特に強風の吹き荒れる所ですが、酷い日は直進することすら不可能です。特に飛島村付近から急な突風で1車線横へ飛ばされることも有るので、いつ転倒するかわからず怖過ぎて高速道路が苦痛な時が有ります。平日でも車の多い高速道路で転倒事故を起こせば後続車に轢かれて命は無いでしょう。カウル無しのネイキッドやオフロードになれば正面から受ける風の圧力は更に強くなります。
排気量150ccでは当然ながら元々車重の軽いバイクが多いです。下に幾つか150ccバイクのスペックを抜き出した物をまとめました。
ヤマハ YZF-R15
134kg/16.6馬力
フロント90/80−17 リア130/70−R17
ホンダ PCX150
131kg/14馬力
フロント90/90-14 リア100/90-14
カワサキ D-tracker 150
120kg
フロント100/80-17 リア120/70-17
大体130kg前後の車重ですから、大人一人が乗車するとトータルで200kgにいかないくらいです。タイヤもクラス相応ですが、太いとは言い難いサイズを履いています。タイヤの設置面積も少なく、車重も軽いので強い風が吹くと踏ん張ることが出来ないのですね。人間という重量物が最上部に乗っていることも問題ですが、強風の吹く高速道路をこのクラスのバイクで走ると大きく疲労してしまいます。必死にバイクを押さえておかないといつ吹っ飛ぶかわかりませんし、旅行の運転で体力のほとんどを持っていかれるというのも勿体無い話です。
このクラスはどちらかというと街中での取り回しに優れていますから、フルカウルと言えど高速巡航は苦手な車種です。ひらひら曲がるので、ここぞという時のしっかりした直進安定性にやや欠けるデメリットが存在します。下道移動の方が疲労感も少なく快適に旅行することが出来るでしょう。
そもそも十分な速度が出せない
150ccのエンジンが発生させる出力はわずかです。ノーマルの状態では大体16馬力くらいが上限になります。最高速度としてはギア比や下り坂等で稼いでもせいぜい時速130kmが良いところでしょう。たまに車は100km出る性能が有れば十分と仰る方がいらっしゃいますが、このクラスに乗ると実際の走行速度は100kmまででも、スペックとしてせめて150kmは出せる能力が無いときついことが実感できます。
追い越し車線を走行することが難しい
常にレッドゾーン手前で走行するのもエンジンの振動が大き過ぎてライダーに過大な負担がかかります。長時間の乗車なら、もう少しエンジン回転を落として7~80km程の巡航速度を維持することになるかと思います。しかし、左車線をその速度で走行していてもトラックに追いついてしまうケースが多いです。問題はこの時追い越し車線に出て急加速するということが非常に難しいことです。既に加速性能を目一杯使っているのでエンジン全開でもゆっくりしか速度が上がっていきません。追い越し自体が一苦労なのですね。急いでいても追い越し車線を走り続けていると確実に後ろに車がぴったり付けてきます。
世の中には最高度300kmまで出すことの出来るバイクも有りますが、それらモンスター級バイクがまだ変身を2回残すフリーザなら、こちらは80km出す為に既に界王拳まで使っている状態です。エンジン性能に余裕を残して快適に走行するという点では、150ccでは最高速度がやや低すぎるのがネックになります。
150ccで高速を走るのは本当の非常時
ここまで書いてきた様に、150ccで高速道路を走るのは本当の非常時以外避けた方が無難です。事故の可能性が一般道に比べてかなり高くなりますから、安全を心がけるなら走らないのが一番と言えるでしょう。しかし目的地への到着がかなり遅れている等の非常時に使うことが出来るのは大きなメリットです。原付2種以下ではこの場合、下道を急ぐ以外に選択肢が有りません。そういう一部の例外を除けば下道を走行していった方がずっと快適です。高回転を多用しないので燃費も悪くなりません。
もし最初から高速道路を利用したツーリングを予定されている方は、悪いことは言わないから最低でも250cc以上を購入してください。原付2種同様、150ccは下道用マシンです。週末の峠ライダーにはぴったりですが、ロングツーリング派には向いていません。
追記:ETCカードのお得な選び方もまとめました
バイクで高速道路を楽しみたい方向けにETCカードの発行や選び方について別途記事をまとめました。