予約注文しておいたRICOHのWG-M2が届きました。天気予報は雨でしたが、本降りの前に動画素材を揃えることが出来て良かったです。ウェアラブルカメラの中でも比較的高価な機種ですが、非常に魅力的な1台に進化していました。
目次
RICOH WG-M2とは?
リコーが以前から発売していたウェアラブルカメラ、WG-M1の後継機です。オレンジ色の特徴的な筐体はそのままに204度の広角レンズを搭載、前回の不満点を潰していく内容のマイナーチェンジで更に進化して帰ってきました。WG-M1のスペックが既に陳腐化していたので、アップグレードのタイミングとしては良い機会かな、と思います。
本体の筐体の雰囲気は変わりませんが、持った瞬間軽くなったと感じました。それもそのはず、約190gあったWG-M1に対し、WG-M2は約136gと大幅にダイエットしています。三脚用のネジ穴の位置など基本的なレイアウトはそのままなので、WG-M1ユーザーはスムーズに移行できるでしょう。衝撃に強いタフネス設計、大型のカラー液晶も健在です。動画はMOVファイルで保存されますが、MP4で編集されている方には注意が必要です。
204度の超広角レンズ
WG-M2に搭載された204度の広角レンズは、現在販売されているウェアラブルカメラの中でも、かなりの広角レンズです。上はYZF-R15のタンクの上に設置して撮影したものですが、おわかり頂けるでしょうか?給油口の前にカメラを付けたにも関わらず両方のハンドルバーエンドが映る程の広角っぷりです。何とタンクの上に置くだけで前方視界、メーター、アクセル操作、ブレーキ操作、シフトタイミングの全てを記録することが出来ます。動画を見ると魚眼的な歪みがどうしても出てしまいますが、驚異的なレベルです。
丁度手元に有ったので、先日発売されたSONYのHDR-AS50とその画角を比較してみました。三脚を立て、同じ距離、同じ高さで同一の被写体を撮影しています。
SONY AS50
RICOH WG-M2
AS50の画角は一般的なアクションカメラのそれと同等で、GoPro等で撮影しても大体この様な感じになります。静止画で見ても、歪みはそこまで目立ちません。
それに対して、WG-M2はかなり広い範囲を撮影することが出来ています。AS50が右側に停めたセロー250のリアホイールの一部しか捉えていないのに比べ、WG-M2はその奥のガレージまでカバーしています。流石に4隅はかなり歪みが目立っていますが、相当な広角レンズと言えるでしょう。また、他よりも広角なレンズを採用することで被写体までの距離感が遠くなるのもポイントです。
細かい振動には非常に強くなった
正確に言うと先代のWG-M1の時点で揺れには強いカメラだったのですが、WG-M2は広角化されたことで、更に動画が揺れに強くなりました。ブレ補正もカメラに内蔵されていますが、それが無くても動画のブレ感は少ないです。カメラ自体の剛性の高さを感じます。ただ残念ながら、WG-M2も他の4Kウェアラブルカメラと同じ宿命を背負っており、4K撮影モード時は手振れ補正が効きません。リコー自慢のMovieSRは画角が151度のナロー設定時に起動するので、広角モード時には使用する事が出来ません。ただし、モードOFF時でも204度のワイド設定なら特に気にならないくらいのレベルになっています。この広角レンズが効いているのでしょうね。
純正アプリのImage Syncは大分良くなった
WG-M1のアプリは酷評しましたが、WG-M2で使用したImage Syncはとても調子が良いです。以前の悪癖も解消し、スマートフォンとカメラの連携速度、切れにくさ等、他社製のソフトウェアとようやく同じ水準に至ったかなと感じます。設定項目や操作ボタンの直感的なわかりやすさ等、まだまだ詰められる部分は有ると思いますが、十分納得のいく出来です。
地味に良く考えられているのが、カメラをWi-fiモードにした際にパスワードが本体ディスプレイ上に表示されることです。Wi-fiのパスワードを外箱のPOSコードに併記するメーカーもいますが、この辺りはリコーは使いやすくしてくれています。ここだけは他のメーカーも同様にして欲しい。
4万円弱の価格は十分納得できるクオリティ
先代のWG-M1が現在1万円半ばで買える事を考えると、WG-M2は倍以上の値段になるわけですから、当然求められるレベルも高くなります。結論から言うと、4万円という価格を考慮してもおすすめのカメラです。同じ価格帯に同様の超広角レンズを採用したSP360シリーズがいますが、カメラとしての完成度はWG-M2の方が高いと考えています。元々リコーのウェアラブルカメラはカメラ本体のクオリティは高い傾向に有りましたが、WG-M2は目立った欠点も無く、安心して使えるカメラに仕上がっています。
唯一欠点を挙げるなら、自慢の204度の広角映像はどうしても歪みがきつくなり、人を選ぶ傾向に有るということです。SP360同様四隅の歪みが出てしまうので、この癖を嫌う方は同じ金額でGoProかSONYから買うのが良いと思います。
独特の魅力が有る一台なのではまる人ははまりますし、RICOHファンで気になる方には安心しておすすめできる良いカメラです。今から買うなら多少予算オーバーでもこちらがおすすめです。