フルカウルのバイクはGoProを設置するには最高の素材です。ここでは実際に私のバイクに設けた設置箇所を交えながら、GoProの取り付けに関してご説明したいと思います。
目次
まずはベースマウントが基本
バイクが曲面に設置する場合がほとんどなので、両面テープで確実に固定することが出来るベースマウントの使用がメインになります。これも出来れば純正品の使用をおすすめしています。社外品は両面テープの品質が劣るのか、十分な接着強度を得られずに剥がれてしまう事が数回有りました。走行中のバイクから、アスフェルトに転がり落ちれば幾らGoProでもただでは済みません。大事な機材を壊さないためにも、ここはきちんとしたものを使ってください。
更にサイドマウントを利用してカメラの角度を90度傾けてやります。これはヘルメットにGoProを取り付ける際にも再利用可能な便利なアイテムです。
タンクの上など、なだらかな曲面ならサクションカップが強力に張り付いてくれます。これは自動車のバンパーなど、バイク以外にも応用できるので車載動画作りには何かと重宝します。
設置場所の紹介
サイドカウル
まずは無難なサイドカウルへの取付です。ウインカーのやや後ろぐらいに取付けていますが、この位置なら足との干渉も無く、運転中も邪魔になりません。
実際の動画ではこういう感じの絵が撮れます。サイドカウルに取付けると視点の高さが地面に近くなるため、簡単に迫力を出すことが出来ます。
もし開けた視界で撮影したい場合は、右側へ設置するのがおすすめです。反対に左側に設置すると視界が狭まりますが、ガードレールや木々が猛スピードで横切るので、映像に迫力を出すことが出来ます。
フロントフェンダー
次はフロントフェンダーです。一見派手に揺れそうですが、そこまで振動を拾う箇所では有りません。
カメラの頭上にはノーズが来ており、スペースに余裕が無いので、サイドマウントを下向きに折って設置します。
この様にスペースに余裕が無い時はカメラを反対に向けても構いません。GoProは本体設定で撮影時の映像を上下反転させることが可能なので、簡単に向きを修正することが出来ます。
ここではカメラの方向を調整することで色んな絵を撮る事が出来ます。前方を向ければ、フロントホイールをわずかに画面に入れて風景を撮影することが出来ます。GoProの撮影効果も有り、独特な雰囲気になっていますね。
今度はカメラを内側へ向けます。日光の都合上、カメラが日陰に入ってしまいましたが、フロントホイールに加え、ブレーキディスクやキャリパーを画面に収めることが出来ました。ブレーキパーツはキャリパーやディスクを自分流にカスタマイズされている方も多いので、自慢の愛車をアピールするのに最適なスポットです。映像自体は動画内のキャッチなどにも使うことができます。
アンダーカウル
次はアンダーカウルにセッティングします。ここまで位置が下がるとバンク角次第ではカメラを擦る場合が有るので、カメラは出来るだけ上へ向けて使用してください。
注意点としては、シフトペダル、もしくはブレーキペダルが近くなるので、取付け位置によってはカメラを蹴りやすいということです。足との距離感は事前に良く確認してから使用すると失敗を防げます。
本人の気合のバンク角如何ではカメラを地面スレスレまで持っていくことが出来ますが、機材を破壊するリスクが常に付きまとうのでほどほどにするのがミソです。取付位置が極端に低いので大迫力で撮影できるスポットです。
カメラを反転させればシフト操作の撮影も可能です。バイクの右方向では、ブレーキ操作が映るので意外に映像に動きが有ります。自身の走行記録を撮っていきたい方やプロっぽい動画を作りたい方にはおすすめです。
スイングアーム
マフラー下のスイングアーム部に取り付けてみました。ここはスイングアームが角材のバイクほど設置が容易です。逆に複雑な形状のバイクになると設置が難しくなります。マフラーの熱が心配でしたが、走行風で冷却されるのか、長時間の撮影でもカメラの動作に支障を来たすようなことは有りませんでした。
秋口に撮ったサンプルです。少しカメラの角度を斜め向きに付けているのですが、結果的に独特な視点が強調された写真になりました。ブレーキキャリパーが金色のブレンボとかだともっと目立つ写真になりますよ。
リアシート
次はリアシートへの固定です。わずかに出来たスペースにベースマウントを設置しています。シングルカウルや、キャリアが付いているならそこでも構いません。エンブレムを避けるため左寄りになっていますが、位置的にはバイクの中央に合わせるのが理想です。
これはカメラを正面に向けた時の写真です。カメラが気持ち右側へオフセットされているので、ライダーの前方の視界も少し入れ込むことが出来ました。完全にライダーの背中を捉えたい場合は、もう少しカメラを移さないといけません。
また、カメラを反対に向ければ後方視界を捉える事が出来ます。この角度は意外に写真がブレ易く、良い感じに決まった写真が撮りにくい所です。同行者を写してもナンバーが入らないので、マスツーリング時の個人情報保護の観点からもおすすめです。
フロントノーズ
次はフロントノーズです。ここは複雑な曲面が絡むところなので、ベースマウントを設置可能なポイントは極端に限られてきます。私の場合、ここ以外にはすっきり貼れるポイントが有りませんでした。転倒時もカメラが犠牲になるリスクが少なく、そういう意味では安全なポイントです。
特徴としてはバイクの影もほとんど映らない風景特化の映像が撮影出来ます。高さ的にも適度に迫力の出るポイントなので、素材としてとても使いやすいです。
これは応用編ですが、ベースマウントから少しアームを伸ばしてカメラを反転させています。バイクを前方から捕らえることの出来る珍しいポジションです。
難点を挙げるならば、これ以上カメラを上向きにするとアームが写りこんでしまうことでしょうか。この角度で結構ギリギリの位置です。また、あまりアームを伸ばしすぎると、今度は振動に弱くなるので、走行する道路の荒れ具合も見て、何度か調整してやる必要が有ります。
ガソリンタンク
ここでは吸盤タイプのマウントを使用します。というのもタンクは面積が広いので吸盤が十分な吸着力を発揮する稀有なポイントだからです。ちょっと高さの有るマウントを選ぶと、メーターの向こうの視界も捉え易いです。
タンクはメーターやスクリーンがバランス良く画面に納まります。
タコメーターの上昇も動画の中に記録できますし、走行動画のメインとしては理想的なポジションです。反面、ライダーにとってはカメラが邪魔になり易いので、出来るだけ前方に寄せてあげると伏せこむ時にもカメラが当たることが無く、快適です。
カメラの向きを90度変えてあげると、今度はアクセル操作を撮影することが出来ます。あまり変化に富んだ映像が撮れる箇所では有りませんが、たまの視点変更時に挿入してあげると動画の良いアクセントになります。
バーハンドル
最後はネイキッドやオフロードに使われるバーハンドルに設置する方法をご紹介します。
これは比較的需要の有るところなので、GoPro以外にも様々なメーカーから同様の物が販売されています。三脚ネジの付いた物にすると、色々なカメラを使いまわせるので、ここでは市販品にトライポッドマウントをかませて使っています。
バーハンドルにカメラを付ける際、カメラがしっかり固定される位置まで回すとカメラがあらぬ方向を向く場合が有ります。180度のズレならマウントを反転させて調整することが可能です。
しかし大抵の場合、30度くらいの微妙なズレが出てしまうので、良くやる調整方法は財布の中のレシートをかませてやる方法です。しっかり締めこめば振動がかかっても緩むことは無いので、咄嗟の時におすすめです。
メーターがわずかに写りこむくらいの角度で撮影しています。あまり角度を上げ過ぎると、今度は足元の道路が映らなくなるので、自分のバイクの適当なところを探してみて下さい。難点は単気筒の様に振動の大きいエンジンを積んだバイクでは振動が少し気になるということです。ここをメインにするならブレ補正の有る他社製カメラの方が良いかもしれません。
sessionシリーズが車載向き
今回紹介した箇所はあくまでSSやオフ車のケースです。アメリカンやアドベンチャーバイクならパニアケースに設置出来る場合も有るので、ベースマウントが余っている様なら是非トライしてみてください。
バイク車載にGoProを使うなら横長のHERO5やHERO4よりも小型軽量なsessionの方が何かと制約を受けないでしょう。ヘルメットに付けて邪魔になりにくいのも嬉しいポイントです。
ちなみにベースマウントを上手く消費するコツは平面で接着出来る箇所を探すことです。バイクはどうしても曲面が多いので、曲面用ベースマウントばかり消費して平面用が余る傾向が有ります。勿体無いですし、調達のコストが嵩むので、平面用の使えそうな所を常に探すのが無駄の無いやり方です。