今回は4K画質に進化したニューフェイス、SP360 4Kのご紹介です。THETA Sに続き、パワーアップしたSP360 4Kの実力はいかがなものでしょうか?
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2880×2880ドット化で画質は大幅にアップ。
SP360 4Kでは、無印の1440×1440の4倍、2880×2880ドットに対応しました。
4倍のパワーアップで、このモデルは4Kと呼称しています。撮影した動画素材を見てみても、確かに画質は高精細感が強くなって全体的に良くなっています。
また、SP360では垂直方向の撮影角度が214度だったことに対し、この4Kモデルでは235度に拡大され、わずかに死角が無くなりました。しかし一応注意事項として、世間一般で言われる4Kの解像度は3840×2160ドットです。YouTubeへ4Kの動画ファイルを送り込むことは、これ一つでは出来ないので注意が必要です。
走行中の風切り音ですが、これはGoProと比べると少なく、その辺り編集上嬉しいメリットです。
3脚用のネジ穴位置はもう少しなんとかして欲しい。
無印の頃から思っていましたが、SP360は三脚を取り付ける為のネジ穴が横に付いています。底面はバッテリーの蓋になっているの、構造上ネジ穴を付けられないのはわかるのですが、そこはもうちょっと改良して欲しい所です。
この場合、3脚等に付けるとレンズは真正面を向いてしまいます。折角の360度カメラなのに後方が死角だらけになるのは頂けません。
この問題を解決するためには、専用のハードケースを購入する必要が有りますが、安くないお値段と、マウントをかませる事で振動の増加が懸念されます。一応この4K用のマウントは対策されている様ですが、Kodakの採用するボールジョイントを固定するタイプは、バイクに使うにはあまりに振動に弱過ぎるので、出来ればマウント類はもっと抜本的に改革して欲しいです。
ソフトウェアは以前に比べると扱いやすくなっている。
無印の頃は純正ソフトウェアで編集するとエンコード時に等倍で読み込んで、そこから変換という回りくどいことをしていましたが、4Kのソフトウェアでは一発で変換してくれます(当たり前と言われれば当たり前ですが…)
基本構造をそのままに修正しているので無印に慣れた方も比較的容易に移行できそうです。iOS用アプリも直感的に操作でき、正直ソフトウェア周りの完成度は確実に高まっている印象です。
VR動画の画質は何も成長していない…
最高に複雑な気持ちにさせられるのは、純正ソフトウェアでYouTube用動画を出力すると1920×1080ドットにされてしまうことです。「あれ、これ4Kモデルじゃなかった?」と私は首を傾げました。
2880×2880ドットでは解像度が足りないのだと、頭の良い方なら直感的に気づきそうですが私は全く気がつきませんでした…もし本来の4Kの3840×2160ドットを出力したいなら、2つ買って全天球モードにしないといけません。カメラ2つ、専用マウントで10万円超えという高額なコースです。この場合、SP360 4Kの弱点である後方の死角を解消することができるので、全天球にこだわる方にはおすすめのオプションです。
他人にお勧めするにはまだ早い
この4Kで私が無印の頃に感じていた不満はかなり解消するかと思っていましたが、まだそこまでには至っていませんでした。
アクションカメラの中でも、際立った個性を持ったモデルであることは間違いないのですが、まだアーリーアダプター向けというか、一見様お断り的な癖の強さを感じます。
無印を1.0とするなら4Kは1.2くらいのアップデート具合なので、正直Kodakのこのシリーズを検討されている方には、2.0が来るまで待てと言いたい。逆にSP360からのコアなファンの方は是非どうぞ。
現状もう1個買って運用する程可能性を感じるかと言われると凄まじく微妙な気持ちです。THETA Sが一つで高画質な静止画、動画を遊び倒せる体制を整えた今となっては、コストパフォーマンス的にはあまり良くないというのが現在の感想です。
2016年には既に複数のカメラを持った360度カメラの登場が幾つも予定されていることを考えると、このSP360シリーズも更なるブレイクスルーを起こさないとちょっと苦しそうです。少なくとも全天球化で10万超えコースでは勝負できない様に思います。