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サウンドテック エボリューションのここが凄い!【レビュー】

ウインズジャパンより発売されたサウンドテックエボリューションの存在を知った時は軽い衝撃でした。まさか市場の小さいヘルメット用スピーカーにまでハイレゾの波が押し寄せてこようとは想像もしていなかったからです。メーカー曰く、全てにおいて過去最高の音質ということですが、実際の所はどうなっているのでしょうか。

これがサウンドテックエヴォリューションだ!

このサウンドテックシリーズは実は4つのモデルが有るわけですが、今回ご紹介するこのエボリューションはその中のフラッグシップモデルです。エボリューションという響きが凄くスペシャリティな雰囲気で良いですね、某自動車やミニ四駆の様に…

ヘルメット用スピーカーは比較的安価な製品が多いのですが、これは約7000円とこの手の商品の中ではかなり高額な部類です。でもカーオーディオの世界では可愛いものですね。

サウンドテック エボリューション

パッケージの中は至ってシンプルです。説明書とスピーカー本体、マジックテープ、延長ケーブルが入っているだけです。難しい要素は何も有りません。外箱のサイズもDVDのケースと大差無い大きさです。

早速取り付け!

サウンドテック エボリューション

今回スピーカーを設置するSHOEIのZ-7は純正形状でスピーカーを設置するスペースが確保されています。内装を全て外すと耳横のスペースにアクセスすることが可能です。このエボリューションはその溝にすっぽり嵌る丁度良いサイズ感でした。奥行きが1cm程度有るのですが、スピーカーを取り付ける際に外すイヤーパッド分の空間が出来るのでヘルメットを被っても圧迫感は有りません。ただしケーブルの出る向きがちょっと相性が良くなく、角度の調整が必要でした。ちなみにウィンズより発売されているヘルメットには内装のパッドにスピーカーポケットが用意されています。

スピーカーを取り付け、最終的にヘルメットの内装を全て戻すとケーブル類は後頭部付近に収納され、全く見えなくなります。配線用のステレオフォンプラグを顎紐の金具部分に通せば完成です。ぱっと見にはスピーカーが内蔵されていることはわかりません。この間の作業時間はおよそ30分といったところです。使用されているケーブルは取り回しは良いのですが、非常に細く断線が心配されます。出来るだけ引っ張らない様に気をつけていた方が良いでしょう。

一応、延長ケーブルも用意されています。Bluetooth化される方には不要ですが、iPhone等携帯端末に接続される際には便利ですね。付属品の割にはしっかりとした作りです。

音質はかなりドンシャリぎみ

正直チープな作りのスピーカーなのであまり音に過度な期待は出来ないと思っていたのですが、意外にクオリティは高いです。

1万円のヘッドホンくらいの水準には達しています。売値や製品のスタイルを考えると、コストパフォーマンス自体はそこそこ高いということになります。正直1000円のヘッドホンと同レベルでも致し方ないと予想していただけに嬉しい誤算です。思っていたよりもずっとレベルの高い音を出してくれました。

スピーカーが耳から距離が有るので、独特の音場の広さが有り、面白い音です。フルフェイスヘルメットという密閉空間も上手く寄与しているのかもしれません。ドライバーの性能は高く、音の分解力は中々のレベルです。小径スピーカーなのでこの辺りはやはり得意ことでしょう、音源を細部まで良く再現できていると思います。多少イコライザーでバランスを取ってやれば、恐らく室内の使用でも楽しめるかと思います。iPhone直刺しでも十分音量は取ることが出来るので、能率の面でも悪く有りません。

音の傾向は相当なドンシャリサウンドです。バイクの走行中という極めて特異なシチュエーションで使用されることを想定しているので、高音と低音はかなり強化されています。逆に中音域だけ盛り上げてしまうと、走行中にほぼ低音が聞こえなくなったりするので、このバランスは致し方無いかな、という印象です。騒音の一切無い室内ではちょっときつい、いやかなりきついかもしれません。

バイク乗車時になるとこれがかなり変化します。バイクからのノイズ、風の音に、きつかった高音や低音はかき消され、全体的にはまったりサウンドになります。全体のバランスは凄く良く考えられているな、というのが走行中の感想でした。60kmくらいの速度でボーカルを含めた中低音辺りがもっとも残るので、走っている限りではポップスとの相性は中々です。アニソンはかなり向いているかと思います。ただし高音がかなりカットされる都合上、ロックは物足りないかもしれません。

下位モデルのスタンダードも試しましたが、価格差を考慮しても流石にフラッグシップモデルは数段上の実力です。傾向としてはどちらもドンシャリなのですが、より不快な音を感じさせない、ダイナミックレンジが広いのはエボリューションの方です。スタンダードとエボリューションなら素人が聞いてもわかる音質差が有る為、折角高音質スピーカーに変えるというなら、エボリューションモデルはおすすめです。

早速ハイレゾ音源をつなげてみた!

今回は音源の再生には手持ちのiPhone5+SONY PHA-1Aを使用しました。アンプを使わなくても音量的には困りませんが、ハイレゾ音源をアナログ信号に変換出来ないので、DAC内蔵のポータブルアンプがこの場合は必須アイテムです。正直荷物が増えて面倒くささは拭えない…

早速視聴テストを行うと、サウンドテックエボリューションはハイレゾ音源化の恩恵で高音質になったアコースティックな楽器の再生能力はかなり高いです。クラシックやジャズは性格的にドンピシャなジャンルだと思います。しかしクラシック聞きながら走行しているライダーはかなりの少数派な気がする…反対に電子音の多用する音楽は耳に突き刺さり易いです。というか凄い刺さってきます。ボーカルの表現は上手いスピーカーだけに何とも惜しいところです。この辺りがこのスピーカーのキャラクターかな、と思います。しかし得手不得手に関わらず、走り出してしまうと刺激的な所はなりを潜めるので、割とオールジャンルで聞けます。

高音質な音源のメリットはこのクラスのスピーカーでも十分体感できることはわかりましたので、後は出来るだけ静音仕様のヘルメットに合わせてあげて欲しいです。