桜も咲き始めた今日この頃、皆さんいかがお過ごしでしょうか?愛知はすっかり暖かくなってジャケットのライナーももう出番が無くなりそうです。YZF-R15に入っているオイルは冬場にかけてメーカー指定より少し粘度を落としていましたが、気温も上がってきたため今回規定の粘度に戻してみることにしました。
今回入れるのはCastrol GO 4T
いや、これスクーター用じゃないですか…と思った方、正解です。実はYZF-R15のマニュアルには「オイルは20W-40/50」の粘度の物を入れることと記載されています。そんな高粘度のスポーツ用オイルなんて中々売っていないんですよね…。あのオイルもこのオイルも10W-40くらいが相場の世界になります。というわけで今日は価格も手頃なGO4Tでひとまず様子を見てみようということになりました。1L800円なのでこのくらいになってくると廃油ボックスともうそれほど差が無いレベルになってきます。
パッケージは真っ赤な塗装で中々派手なデザインをしています。カストロール全般に言えることですが、このボトルキャップは小さ過ぎて成人男性のごつい手だと若干回しづらい…。パッケージ的にはシンプルですがもうちょっと開け易さが欲しいと思いました。
粘度はやっぱりドロッとしている
注いだ印象はそれまで使っていた10W-40のオイルに比べると気持ちドロッと感の強いオイルでした。色は至って普通でしたが、漏斗のフィルターを中々通っていかない感じです。試乗の前に、ここでは高粘度オイルのメリットをざっとおさらいしておきましょう。
エンジンオイルの粘度を上げる最大のメリットは、なんといってもエンジン内で分厚く強固な油膜が形成されるということです。この油膜が摩擦部分のクッションの役割を果たすため、エンジン内の保護性能という点では大変優れています。特に小排気量車はエンジンの回転数を上げてパワーを出さざるを得ないので、高負荷時も状態の良い油膜を維持することが出来ればエンジンの寿命を延ばすことに繋がります。また、エンジン音が気になる場合、高粘度のオイルにすることで静音化に寄与します。
デメリットとしては、今回低温度での粘度が上がっていますので始動性の悪化がまず上げられます。今時のバイクは始動性に難を抱えていることはあまり有りませんが、冬場の気温が低い時期は控えた方が良いかも知れません。また、オイルの粘度が高いことでどうしてもエンジンには抵抗になります。つねに体に粘液がまとわりついていたら動きづらいですものね。エンジンの場合、燃費の悪化、レスポンスの悪化という形で現れてきます。アクセルを開けた時に即座にエンジンが反応することを望む方はあまり高粘度にするとエンジンの持つレスポンス性を損なう恐れが有ります。燃費に関してはYZF-R15はリッター当たり40kmを超えてくるのでそこまで懸念することは無いかなと思います。原付二種くらいの排気量なら50km超えもいる世界ですからオイルで多少下がっても十分エコカーです。
やっぱりレスポンスは悪くなった
交換して1週間以上経過しましたが、始動性に大きな変化は見られませんでした。セルを回せば相変わらずすぐに始動します。これがYZF-R15の標準粘度なので当たり前ではあるのですが低粘度オイルと比較してもそこまで差は感じませんでした。
走行中はやはり回転の上昇がゆるやかになった様に感じます。7000回転を超えて回っていく時にどうも重たさみたいな物を感じます。同じカストロールでもPower4Tの方がこの辺り綺麗にこなしてくれていたのですが、GO4Tはガンガンレッドゾーン手前に入れていく様な使い方をした時にもたつく印象です。スポーツ走行派は特に気になるかもしれません。
また、エンジンノイズに関しては、こちらも大きな変化は有りませんでした。アイドリング時、高回転時、どちらも特に静かになったという印象を受けず、あまりオイル交換の変化を感じませんでした。ということはレスポンスがやや悪くなって、ノイズがそのままということになり、トータルではマイナス…
価格を考えれば頻繁に交換するには有りか
個人的な話ですが、エンジンオイルは気になると1000kmくらいで交換したくなってしまいます。レース用エンジンでも無い限りそこまでシビアに管理する必要は市販車ではまず無いことですが、コマメなメンテナンス派にとって1L辺り1000円を切っている価格は魅力的です。交換後のフィーリングが若干良く有りませんでしたが、それはランクの上のオイルと比較した時の話で、普段からの使用ならこのクラスで全く問題ないと思います。常に高回転をガンガン使う人もバイク人口の中では少数派でしょう。割安なメンテナンスアイテムと考えるとGO4Tは結構有りです。というかこの規格の高粘度オイルは本当に選択肢が少ないので有り難い存在ですね。
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