125ccという非常に少ない排気量ながら、作りはスーパースポーツそのものなYZF-R125。ヨーロッパ市場でこのクラスが熱いということも有り、豪華装備がこれでもかと奢られ、デザインも上位クラスに負けない程凝った物になっています。
YZF-R125 2014-
モータースポーツ文化の根強いヨーロッパでの人気も後押しし、アジア市場をメインターゲットとした現行の250ccクラスとは全く異なる進化を遂げています。KTMのRC125やアプリリアのRS4といい、125ccと非力な割にとにかくSSらしい走行性能を重視し高性能化、高価格化に向かっています。
まず特徴的なカウルも凹凸の激しい非常に複雑な造りをしていますね。左右で9枚というパーツ点数の多さ、転倒時の金銭的なダメージも大きめです。特にアッパーカウルにはラムエアダクトまで…流石にこれは飾りの様ですが、随所にSSらしい造形が散見しています。ちなみにこの辺りは兄貴分のYZF-R6からインスパイアされているとのこと。装備面は、まずフロントフォークは当然倒立、ブレーキにはラジアルマウントされたキャリパーを採用し過度な横Gが掛かった際のノックバックを抑制しブレーキフィールを向上します。スイングアームもアルミを採用、ブレーキとシフトペダルもアルミです。
この装備に合わせ、YZF-R125はポジションもかなり走りに振った形となっています。更に600ccクラスにならないと見れない様なシート高とハンドル高の組み合わせでしっかりレーシーな姿勢を取らせます。シート高825mmとコンパクトな125ccとは思えない様な高さです。その分重心位置が上へ動く為、コーナーリングを開始する際はよりクイックな挙動を示します。142kgと軽量に作られており、コーナーでの高い旋回速度と下り坂でのブレーキングは得意分野です。ただし上り坂となると流石に15馬力の非力さが表に出てしまうのはしょうがないですね。直線の伸びも鈍くなり、大排気量のバイクや車を相手にするのは苦しいです。
YZF-R125に搭載された125cc単気筒エンジンは、ヨーロッパのA1免許で制限がかかる15馬力一杯のパワーを発生させます。そこまでに9000回転回すわけですから、単気筒といえどかなりの高回転セッティングです。そんなスポーツ寄りのエンジンですが、カウルの下の見た目は、エンジンとクーラー共に非常にコンパクトですね。
これだけの中身ですから、YZF-R125は125ccクラスとは思えないほど高価です。現状国内で入手する手段としてレッドバロンが挙げられますが、ここでの価格は68万円とYZF-R25を凌ぐ高価格ぶりでした…。確かに中身も奢られているわけですが、中々攻めたバイクです。