ヤマハのモタードではWR250Xがあまりにも有名過ぎて、同排気量ながら知名度で数段劣っているXT250X。セローをベースにオンロード仕様に換装している為、街乗りには間違い無く使い易いモデルです。
XT250X 2008-
これがXT250Xを前方から見た図です。シュラウドやシート等かなり現行セローの雰囲気を残しつつ、17インチホイールに換装しモタードバイクらしく仕上がっています。セロー250の特徴のカモシカマークは無くなっていますね。
比較対象にセローの画像も引っ張ってきました。多くの部品を共通しているので兄弟という表現がピッタリです。細部のカラーは別として、ライト、フォーク、ホイール、テールランプ辺りが変更されています。意外にフェンダーはショート化されたり等の目立った違いは無い模様です。
まずライトですが、セローの小振りな丸目ライトから、懐かしさのオフロード車を思わせる角目に変更されました。モタードというオンロード寄りのスタイルに切り替わる過程でライト下のスタックバーも外されています。多少未舗装路も走れるのがモタードというカテゴリーなわけですが、流石にタイヤがはまる様な深いぬかるみ等は想定外みたいです。フォークブーツも無くなり、正面の印象は大分変わった様に感じます。ホイールサイズはモタードらしく前後17インチホイールになっています。タイヤサイズはフロントが110/70-17、リアが130/70-17とこのクラスとしては一般的な数字です。セローの場合、タイヤの細さからかなり倒し易く、ライダーは自転車に乗っている感覚だったのですが、このくらいの太さならもう少し安定感が出ます。加えてしっかりとグリップするオンロードタイヤを履いていますから、ブロックタイヤのセローに比べれば不意の急ブレーキでもロックせず安心して止まれます。IRCのRX-01等グリップに定評の有るタイヤが履けるのもポイントです。
エンジンスペックなど
エンジンは兄弟のセローと同じく、250cc単気筒エンジン。ピークパワーも同じ18馬力/7500回転となっています。WR250Xと比べるとガンガン高回転まで回して気持ち良い感じでは有りませんが、このエンジンは下からモリモリトルクが出るので、ストップ&ゴーの多い街中ではとても快適な特性をしています。その分最高速があまり伸びない為、高速道路は同排気量の2気筒勢と比べてしまうとやや辛いですね。一応2次減速比を変更されており、兄弟に比べて最高速が伸びる様になっています。これで6速MTだったらもっと楽になった気がします。車重は133kgとWR250Xと互角のスペック、こちらの方が馬力は遥かに少ないわけですが、その代わりびっくりする様な急加速も無く、フレンドリーで無理なく扱えるとも言えます。実際、車の流れにも付いていけて、初心者にも持て余さない丁度良いくらいの馬力です。
XT250Xはシート高も790mmと、元々足付きも良かったセローから更に低くなり、よりライダーに優しいマシンになりました。オフロード車はどうしても足が付かなくて…という方にはおすすめです。かなりの方が両足べったり付くはずです。最小旋回半径も1.9mと抜群に小回りが利く良い数字です。1.5車線くらいの道幅でも慣れるとスッとUターン出来るくらい取り回しはしやすくなっています。車重が軽く、低速トルクも有るので一気に曲げる際もやりやすいです。
価格は53万円とセローをベースに2万円プラスした価格をしています。WR250Xに比べると新車で20万円以上安くなっていますから、モタードバイクが好きな方にはかなり安価な選択肢ですね。ホンダのCRF250Mと同じくらいの価格です。オフロードへの適性は多少下がりましたが、足付きも良く、オンロードタイヤで舗装路の不安感も少なくなったXT250Xは通勤・通学の足としてはセローよりもむしろ快適に感じるかもしれません。林道を含めたオフロードを走行する予定が無い人にはこちらの方が満足感は高そうです。