1000cc~

Vストローム1000 (スズキ)

スズキ Vストローム1000
by 見上 礼視

スズキのデュアルパーパス、Vストロームシリーズ最大排気量のVストローム1000の紹介です。ミドルクラスのVストローム650に比べるとスズキの好む単眼ライトで使用したことでよりシャープさが増し、幅広の嘴がより異形の鳥っぽく見える様になりました。

スズキ Vストローム1000

Vストローム1000は、アーモンド型の大きく見開いた様なライトが650とはまた異なる顔つきで、より重厚感とメカっぽさの有る仕上がりが万人に受けそうです。細かいデザイン的には、非常に存在感の有る倒立フォークやABS付きのラジアルマウントキャリパーが目を引きます。製造したスズキからはエレガントと評されているこの顔つきも、まさに最新鋭のデュアルパーパスバイクのそれです。マフラーもこのスタイルに負けない非常に大振りなものを採用しています。マフラー内に開閉式のバルブを設けるSuzuki Exhaust Tuningを搭載しており、排気パルス効果で低回転時のトルクを増強しています。

 

スズキ Vストローム1000

ポジションは快適性を考慮したアップライト寄りの設計ですね。フルカウルのツアラーより、更に直立気味のポジションの為、ツーリング時に疲れない様になっています。デュアルパーパスだけ有ってスクリーンは高く、高速道路での走行風からライダーを守ってくれます。このスクリーン自体も調整式になっている為、ライダーの好みで調整が可能です。シート高は850mmとややライダーを選ぶ高さなのが、この類のバイクの宿命ですね。車重も228kgとしっかりとした重量が有り、小柄なライダーには取り回しが辛いかもしれません。メーターパネル下部には12Vのソケットが備え付けられており、ナビの増設や機器の充電に利用することが出来ます。タンク容量は20Lと大きく、公称燃費も29.0km/Lですから、フル給油時の航続距離は長そうですね。ロングツーリングに使うには向いたバイクです。

 

スズキ Vストローム1000

Vストローム1000では1036ccの水冷V型2気筒エンジンを使用しています。圧縮比は11.3:1、ボアストロークは100mm×66mmです。大排気量のVツインの為、ピストンはかなりの大型ですね。バンク角も90度とV型として理想的なレイアウトを採用しており、長距離走行を想定するこのバイクにはぴったりの設計です。ピークパワーは100馬力/8000回転有り、Vストローム650の1.5倍となっています。排気量が大きく向上した分、公道では常に余裕が有る状態で、独特な鼓動感と力強いトルクがライダーの負担を軽減してくれます。

 

スズキ Vストローム1000

オンロードでも高い性能を誇っていますが、一方でブロックタイヤを履いてぬかるんだ泥の上を想定することも考慮されている様です。ハンドガード等、オフロードに有ると嬉しい装備もオプション品にラインナップされています。トラクションコントロールも装備されていますから、リアホイールがスピンする様な時は、バイクの方がエンジン出力を適正に絞ってくれます。前後輪の速度センサー、スロットルポジションセンサー等を通じてその時その時に相応しいエンジンパワーをコントロールしています。左ハンドルのスイッチで3モードに変化させられる為、悪路を通過していく時の強い味方です。

ハイテク装備も盛り込まれたVストローム1000は約140万円と価格的にも隼に次ぐ、スズキではトップクラスの価格帯です。デュアルパーパスの中でも一際個性的な外見をしていますから、このデザインに惚れた方には替えの効かないモデルです。

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