アプリリアのフラグシップSSであるRSV4。同じイタリアのドゥカティPanigaleとはまた違うレーシーさ全開なルックスをしています。市販スーパースポーツの中でも貴重なV4エンジンを搭載していることもV型ファンには嬉しいところです。
レース使用を前提にしたアプリリアのスーパースポーツ
最初からハードなサーキット走行を想定したRSV4では、最新鋭のエレクトロニクスも豊富に装備されています。アプリリアではaPRCの名称を使っていますが、これにはトラクションコントロール(aTC:Aprilia Traction Control)やウィリーコントロール(aWC:Aprilia Wheelie Control)、クイックシフト(aQS:Aprilia Quick Shift)等が含まれています。リッターSSらしく、雑な操作ではパワーがグリップを飛び越えてしまう為、電子制御の力で限られたグリップを最大限発揮出来る様になっています。急なスライドや加速時のウィリーが減少する為、安心してアクセルオンで飛び出していくことが出来ますね。更に加速をサポートするクイックシフトでストレートで速度を乗せ易くなります。
搭載されているエンジンは本国仕様で184馬力/12500回転と非常に高回転まで良く回るSSらしいエンジンです。国内仕様は106馬力/7000回転と大幅に落ちますが、一般公道にはそれでも十分過ぎる出力です。バンク角65度のV型4気筒となっており、バンク角を狭めることで、前後にコンパクトなエンジンとしてまとめられています。出ているパワーがパワーだけに、RSV4ではTrack、Sport、Roadの3パターンにマッピングを変更することが出来ます。
ツインスパーフレームにOHLINSのモノサスが光ります。このフレームにはエンジンの搭載位置を調整するスペースが設けられており、ライダーの好みで調整することが可能です。とはいえRSV4を購入するライダーでもサスのセッティングはともかくそこまで管理出来ているライダーは少数かもしれませんね。前後幅がコンパクトな特製V4エンジンを使用した為、スイングアームも非常に剛健かつ長い作りでサーキット走行時の過酷な負荷を良く受け止めてくれそうです。
これは上位モデルの「RSV4 RR」。ここからエンジン出力が上昇し、201馬力/13000回転と200馬力の大台に突入します。エンジン内の燃焼効率の見直し、FIの変更、エアーボックスの形状変更等によりベースモデルから15馬力アップと市販SSとしては最高峰の性能に達しました。シャーシ面ではスイングアームも14mm延長され、更にコーナーリング性能を引き上げています。防風性の向上の為に外見も細かい調整が入り、より精悍な顔つきに変わっています。今フルスペックのRSV4を欲しいと思ったらこのグレードから購入したいですね。
こちらは更に上位モデルの「RSV4 RF」。エンジン出力等は変わりませんが、足回り等が一部変更されています。RRではザックス製のサスペンションを使用していましたが、RFモデルではオーリンズのフォーク、リアショック、ステアリングダンパーとオーリンズ尽くめのパッケージになっています。カラーリングもSBKのワークスマシンを模した仕様で、市販車の最上位グレードらしい豪華な仕上がりですね。
最後にレーサー仕様の「RSV4 FW」。ワークスの名前が入る通り、RSV4をベースに更に煮詰められたハイパフォーマンス仕様です。足周りから始まり、カウル、スイングアーム形状等々、多くが別物になっています。この角度からでは分かり難いですが、ライトやミラーも取り払われてペイントになっているサーキット専用仕様です。シートもペラペラで街乗りで使う様なバイクでは有りませんが、レースレギュレーションに適した形にまとめられており、RSV4でレース参戦したい方向けのモデルになっています。