BMW最大級のデュアルパーパス、R1200GSのご紹介です。重量級の車体ながらオフロードイベントのGS Trophyでも非常に良く使われています。見た目の迫力と独特なエンジン等、ファンが多いのも頷ける内容です。
貴重な水平対向2気筒のデュアルパーパス
R1200GSはサイボーグ的な異形ライトがまず目を引きますね。それを守る為の嘴も大振りで、そのおかげでいかにもアドベンチャーバイク然とした雰囲気を醸しだしています。ロングツーリング用のバイクですから、タンク内の燃料に応じた走行可能距離を表示してくれる、ナビ取付け用スペースが確保されている等かなりユーザーフレンドリーな内容です。勿論キャリアも標準装備されており、積載性の拡張はばっちりです。ハンドル高も高いアップライトで扱い易いポジションですが、車重245kgと非常に大柄な為、ABSは標準装備され、制動時の安定性を確保しています。シート高は790mmから870mmと非常に調整の幅が広く、小柄なことを気にする心配は有りません。
印象的なテレレバー式のフロントサスはRシリーズならではのスペシャルな装備です。通常のテレスコピック式に比べ、操舵と衝撃の吸収を別々に分けるという非常に凝った作りをしています。ハンドル下にA型のアームとサスペンションを持っており、走行中の衝撃はこちらで吸収します。テレレバー式では、ライダーなら誰でも感じたことの有るハードブレーキング時のノーズダイブをかなり押さえることが出来るのが特徴です。
R1200GSは駆動に一般的なチェーンドライブとは異なる、シャフトドライブ方式を採用しています。シャフトドライブでは、駆動に必要なシャフトとギアはオイルと共に密閉されていて、構造として強い上にメンテナンスフリーな構造となっています。悪路を走破する目的のデュアルパーパスには相性が良い駆動方式ですね。
一方走行中のシャフトは高速回転しており、リアサスを引っ張ろうとする力が働きます。BMWが用いているパラレバー方式では、シャフトとフレーム間にトルクロッドを配置することでこのシャフトの力を上手く逃がし、更にキャリパー等も一箇所に集め非常にコンパクトにまとめています。
右サイドから見た時に、リアホイールのデザインが非常に映える作りになっていますね。R1200GSに搭載されているエンジンは1169ccの水平対向2気筒、一般にフラットツインと呼ばれるタイプのエンジンです。125馬力/7750回転と比較的低い回転でピークパワーを発生させます。
水平対向エンジンにおいては、エンジン内のピストンが左右対称で動くことでお互いの振動をキャンセルする為、振動を低く抑えることが出来ます。またピストンやシリンダーが真横に向く為、エンジンの形式としてとても低重心です。一方非常に横幅の長いエンジンですから、スーパースポーツの様にバンク角の深くなる車種に採用されるタイプでは有りません。フラットツインは足元にとてもボリューム感が有り、遠目でもはっきりそれとわかる程特徴が有ります。