イタリアのヘルメットメーカーAGV。MotoGPではヴァレンティーノ・ロッシ選手にヘルメットを供給していることで知られています。フラッグシップのPISTA GPはイタリアらしいシャープなシルエット等、独特の魅力を感じさせます。
ダイネーゼの日本法人が取扱っていますが、価格が非常に高く10万円後半から20万円オーバーと下手なバイクが買える高価格ぶりです。その代わりに帽体は軽量高剛性なカーボンファイバーを使用する等、とにかくお金が掛かった内容になっている印象です。
外装は同じフラッグシップでもAraiのRX-7XやSHOEIのX-Fourteen等より顎や頭頂部がぐっとシェイプされた独特な形状で、非常にスタイリッシュな外見をしています。いかにもイタリアメーカーらしい洗練された出で立ちです。ライダーのレプリカモデルも豊富にラインナップされている所は、契約メーカーの特権でしょう。
内装は衝撃を吸収するライナーが5種類、肌に触れるウレタンパッドは3種類の素材を切り替えて使うことで事故時の衝撃から効果的に頭部を守ってくれます。耳周りは圧迫感を感じないように柔らかめにしつつ、頬周りは硬めにして高い衝撃に耐える設計です。また額に専用のパッドを設けることで、長いレース中に汗が滴り落ちてくることを防いでいます。極めて走行負荷の高い状態では、冬場でもかなりの発汗を伴う為、シールドを開ける事無く走行し続けられる気の効いた装備ですね。内装類は着脱式の為、多量に汗をかいた後は洗濯すれば常に清潔で悪臭もせず使用することが出来ます。
ベンチレーションは口元と頭頂部に計5箇所のダクトが設けられており、後頭部のリアスポイラーに向かって空気が抜けていきます。このリアスポイラーは走行中は後方の乱気流を抑えつつ、事故時には容易に外れてライダーの頭部へのダメージを軽減する仕組みです。エアの吸入量も前モデルから大幅に増加し、走行中のヘルメット内の温度を快適に保ってくれます。
PISTA GPに関しては公道での使用は不可能と表記されている場合が有りますが、ダイネーゼの販売分に関しては内装の一部変更等でSG規格、MFJ公認となっていますから、一般道からレースまで対応しています。普通に使う分には日本人仕様に合わせてくれている分ダイネーゼから購入するのが良い様に思います。
最後に公式の動画を添付し終了とします。装着例のライダーの顔がどうみてもロッシなのはご愛嬌でしょう。
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