Araiからツーリング向けヘルメットのASTRAL-Xのご紹介です。スポーツ走行向けのRX-7Xをベースにツーリングモデルとして調整されています。安全性能はRX-7X譲りなのでいざという時も安心できますね。
RX-7Xベースのツーリング仕様
まずRX-7Xと共通するのは衝撃を受け流すというコンセプトを元に設計されていることです。シールド取付け位置を従来より24mm下げて側頭部に滑らかなカーブを作っています。転倒時に衝撃を受けても上手に受け流してくれる為、ヘルメットに高い負荷がかかっても頭部へのダメージを少なくしてくれます。底面のリブも衝撃を受けた時の緩衝材として機能し、横方向からの衝撃から守ってくれます。
シールドはそのままですと開閉しづらくなる為、新しいシールドシステムのVAS(Variable Axis System)を搭載しています。ダブルピボット機能とピンレール起動を利用してシールドを大きく動かす機構です。支点軸がシールド上のレールをスライドすることで、稼動域を広げ取付位置を下げています。
走行風を取り入れるエアダクトはRX-7Xから大きく形状を変更しており、ASTRAL-Xで採用されたQVFダクトはツーリングモデルらしい静粛性の高い物になっています。スライドシャッター式で、シャッターを閉じている間はダクトそのものが閉じる為、ヘルメット内部への風切り音を最小限に抑えます。一方ダクトを閉じていてもヘルメット内部の空気は負圧で外へ流れていく為、熱がこもらない設計です。口元のダクトはフリーフローシステムモードとデフロストモードの2段階で開閉を調節出来、吐息の排出を助ける他、シールドの曇りを解消することも出来ます。シールド開口部の上部に取付けられたインナーサイドダクトは汗をかきがちなこめかみ付近へ空気を供給します。排出は後頭部のQVRダクト、サイドエキゾーストダクト、NEノズルと3点からヘルメット内部の熱気を外へと流しています。新型のチンカバーもヘルメット下部の整流効果を高めつつ、空気を排出することに一役買っています。
バイザー形状のVAS-V プロシェードシステムはシールドや帽体に沿った形でコンパクトにまとめられています。その為空力特性も良く、ツーリング時にリフトしてしまう煩わしさを最小限に抑えています。バイザーは全閉から全開まで3ポジションに分かれており、日差しの高さに合わせて調整可能です。これ自体スモークシールドを兼ねており、全閉時には適度に日光を遮りつつ安定した視界を確保することが出来ます。
内装にはテイジンのエコピュアー素材を使用しており、抗菌防臭に高い効果を発揮します。汗に含まれるアンモニアを分解する為、夏場等汗を吸っても匂いを残り辛くしています。長時間着用すると多量に汗を吸い込む為、普段使いのアイテムとしては嬉しい心遣いですね。汚れも落ち易く、取り外せる内装の構造とセットで、清潔さを保ちやすい仕組みです。形状も下顎から包み上げるFCS(Facial Contour System)等Arai独自のホールド感を高める工夫が随所に凝らされています。Araiのフィット感はかなりギュッと詰まった質感ですが、もし購入後にきつ過ぎる方には調整用パッドで対応可能です。
RX-7Xの高性能にツーリングでの扱い易さを加えたモデルですから、公道をメインに走行される方にはこちらの方が良いかもしれません。価格的にも5万円と若干RX-7Xよりも安く設定されたのもポイントです。
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