Cruiseの名前通り、こちらはデザイン的にも癖が無く多くのライダーに好まれそうなバランスの良いデザインをしています。高機能装備が盛り込まれた豪華なジェットヘルメットです。
サンバイザー等普段の使い勝手の良さが魅力
スポーツ走行を好むユーザーに訴求したJ-FORCEⅣに比べると、J-Cruiseはインナーサンバイザーを設ける等ツーリング適性が高いパッケージになっています。
左シールド可動部の横に大きな開閉スイッチが有り、走行中でもサンバイザーの上げ下げが可能です。このスイッチ周辺にもSHOEI得意のボーテックスジェネレーターを付けてスイッチが起こす気流の乱れを整えるという芸の細かさです。
サンバイザーを下ろした状態でシールドの上半分がカバーされる為、眩しくて運転に集中できない状況では大きな味方です。また減光機能をインナーサンバイザーに任せたことで普段のシールドはクリアシールドになりますから、夕暮れや夜間といった今度は明かりに乏しい時間帯でも視界を確保しやすくなっています。同価格帯にはAraiのMZ等が有りますが、多機能さにJ-Cruiseの特徴が有ります。
J-Cruiseに付属するCJ-2シールドはSHOEIで風洞実験も行われた機能品で、長めのシールドが前面をしっかりカバーしつつ、下からの走行風の巻上げを抑えてくれます。雨の日等シールドが曇り易い時はオプションのPINLOCK EVO lensとセットにすれば曇りを抑え良好な視界を維持することが可能です。シールドの開閉にはJ-FORCE同様ダブルアクション開閉システムを採用しており、シールドを下ろす、押し込むの2動作でシェルと強力に一体化させます。窓ゴムの2重リップ構造等、隙間風を防止する為に随所に配慮されていますから、走行風による騒音は少なくなっています。
ベンチレーションは前頭部に吸気ダクトを一つ、後頭部に排気ダクトを2つ設置しています。どちらもシェルの曲面に沿う形で綺麗に付いており悪目立ちしません。J-FORCEに比べると丸みを帯びたシルエットで、ファッション的な合わせ易さも有るのがJ-Cruiseの魅力です。
内装はJ-FORCEと異なり、J-CruiseにはユニチカのHYGRAが用いられています。汗を吸い取る為の吸水ポリマーとナイロン糸と織り込んだ物で、肌と内装の間の水分を綺麗に吸うことで長時間の着用時の蒸れを防いでいます。汗の多い時期は内装がベタッとすると不快な気持ちになりますが、そういった所も配慮された内容です。チークパッドのこめかみ部分は眼鏡を装着しても圧迫しない様、柔らかめのウレタンで設計されています。スピーカーの増設も簡単で、インカムを装着したりとツーリングモデルとして大活躍してくれそうなヘルメットとして仕上がっています。