スズキよりコンパクトな2ストロークモトクロッサー、RM85Lです。スズキの現行オフロード車の中では最小クラスで、成人男性というよりはその子供世代が入門として乗るパターンが多くなるかと思います。エントリークラスとして価格も抑えられており、入門用に適しています。
2ストローク84ccの本格レーサー
子供向けのRM-Z50よりも数段大きくなり、クラスアップの受け皿としても向いています。スズキらしいチャンピオンイエローが眩しい一台です。フロントフォークはSHOWA製の見た目から剛性感の高そうな倒立フォーク。サスペンションは前後とも調整機能が設けられており、ライダーの好みにセットアップできる余地を残しています。
エントリークラスといえどモトクロッサーですから、派手なジャンプ等車体に大きな負担がかかっても問題無く走行出来る強度を持たされています。オフロードでの走行は車体には非常に過酷な為、専用設計の車両はやはり安心感が高いですね。
排気量が小さい為、エンジン周りはややスカスカにさえ見えます。車重74kgと流石モトクロッサーだけ有り、無駄の無い軽さをしています。エンジン横の膨らんだチャンバーがいかにも2ストロークらしく見た目にも良いですね。エンジン内のシリンダーにはスズキのSCEM(Suzuki Composite Electrochemical Material)メッキシリンダーを採用しています。強固なメッキ層のおかげで鋳鉄スリーブが必要無く、エンジンそのもの軽量化に貢献しています。また84ccながらトランスミッションは6速MT仕様で、RM-Z50に比べるとより本格的なシフト機構を搭載しています。
スチールパイプのフレームとアルミのスイングアームの組み合わせになっています。ブレーキペダル等アルミで軽量化されている部分は多く、エンジン出力の小ささを軽さで上手く補っています。ホイールはフロント19インチ、リア16インチとなっています。ブレーキは220mmと200mmのシングルディスクブレーキ仕様とすることで十分な制動力を確保しています。
価格は約45万円と、84ccの排気量だけを見ると高いかもしれません。しかし特定の競技場のみを走行する競技用車両としては特段驚く程の価格でも無い感じです。250ccのRM-Z250に比べれば30万円ほど安くエントリークラスとして購入しやすい価格になっています。モトクロッサーと言う特性上、トランスポーターが必須になってしまいますが、オフロードを縦横無尽に駆け巡る専用マシンとして活躍してくれそうです。