ガチガチのプロテクターを纏うロッシと映っているのが今回紹介するMT-09 Street Rally。名前の通り、MT-09のバリエーションモデルです。ダートも走り抜けるモタード的な風味の強いモデルになります。
MT-09 Street Rally 2015-
サイドビューではベースのMT-09に比べてそこまでの違いは感じないかもしれません。シュラウドやエンジン横のガード、そしてシート形状はよりフラットな物に交換されています。その為849.5mmとMT-09より3cm以上シートが高くなり、足付きはちょっと難しくなりました。またシートの変更でMT-09よりも更にモタードチックな外見になったのも特徴です。
エンジンやマフラーといった基本的な部分は共通の物を使用しています。搭載しているのは847cc水冷直列3気筒、ピークでは115馬力/10000回転(国内のMT-09は110馬力/9000回転)を発生させます。不等間隔爆発を起こすクロスプレーン・コンセプトで設計された3気筒エンジンは、攻め込んだ時のトラクションに優れています。またアクセルに対するダイレクト感、トルク感にも強いこだわりを持って設計されたエンジンです。
2モードのトラクションコントロールに対応しており、リアホイールの空転を感知してスロットルバルブ等を調整してグリップ力を取り戻す仕組みです。出力特性を制御するDモードも搭載していますから、街中の走行で少しパワーが出過ぎているという時はレスポンスを落として安心してアクセルを開けられる様にしてくれます。反対にサーキットの様な敏捷さを求められる場面ではフルパワーに切り替えて高い走行性能をマックスに引き出してくれます。
車体サイズも共通で、ホイールベース等もMT-09と同じに設計されています。ブレーキの構成もフロント298mm、リア245mm、ラジアルマウントのキャリパー等同じ物を使っています。
この2台、あるいはMT-09 TRACER、XSR900を含めた4台の中からどれを選ぶかは各ライダーのスタイルの好みに任せて良いと思います。モタードが好みの方はStreet Rallyも面白い選択肢です。
これはStreet Rallyのホワイトモデル。何気のこのカラーは日本でも人気で、漫画にアニメにと登場していたりします。正面から見ると、MT-09から追加されたパーツが良くわかります。ライト上からハンドルバーまで伸びる大型のガードが非常に特徴的です。白と赤というヤマハで度々見られるカラーリングも好印象ですね。またライト下にもパーツが追加されています。
パーツの追加はこちらの方ホワイトカラーの方がわかりやすいかもしれませんね。ネイキッドのMT-09に比べると、フロント周りのボリューム感は増してハーフカウルに近い状態です。ただしスクリーンは付かない為、防風性はやや厳しいかも。メーカーのアクセサリー類の中にもキャリア等は含まれていますが、後付のスクリーンは有りませんでした。
MT-09 Street Rallyに関しては国内導入は無く、ヨーロッパヤマハでもひっそりと扱われています。デュアルパーパスのMT-09 TracerやネイキッドのXSR900に比べるとやや時代の流行とは違うアプローチの為、仕方無いかもしれません。個人的にはこのバイクのデザインは非常に興味深いものが有ります。