ホンダからクラス唯一の4ストローク150ccクラスとして発売されているCRF150R。2スト85ccクラスと並ぶ非常に軽量コンパクトな車体で、ビギナーや子供がオフロード走行を始めるマシンとして適しています。
CRF150R 2006-
まずCRF150Rはエントリークラスのバイクですから、経験の浅いライダーが乗っても扱い易いことを重視して設計されています。4ストロークらしくトルクバンドは広く、玄人向けのシビアな部分は抑えられています。一方スタイリング的には本格的なモトクロッサーのそれで、チープさを感じさせません。ホンダの赤いカラーが見た目にかっこ良く、他のメーカーと差別化されています。シート高は832mmで、モトクロッサーとしては足付きの良い適度な高さです。
サスペンションは前後共にSHOWA製。フロントフォークは倒立式で内部はカートリッジタイプになっています。減衰力の調整も可能な機能品で、見た目の高級感も高い仕上がりです。リアはプロリンクサスペンションで、こちらも調整式です。サイレンサーはアルミ製で、見た目とは裏腹に実際の重量は軽く仕上げています。ホイールはフロントが17インチ、リアが14インチを装備します。競技車両ですから、これもアルミ材で軽量化されています。
CRF150Rに並行して、ラージホイール仕様のCRF150RIIも設定されており、こちらはフロント19インチ、リア16インチになります。シート高が866mmとややアップし、大人が乗って小さ過ぎないサイズ感です。
ブレーキはフロント220mm、リア190mmのシングルディスク。パッドはシンタードメタルパッドを装着します。
エンジンは149.7ccの4ストローク水冷単気筒。ボアストロークは66×43.7mmとショートストローク設計になっています。圧縮比は11.7:1。唯一のピストンは28.7mmと縦に短く軽い物が使われています。シリンダーには高耐久なニカジルメッキを施し、冷却性と焼付き防止性も高いです。バルブの制御にユニカムトレイン機構を採用しており、一つのカムシャフトとロッカーアームの組み合わせで4バルブを駆動します。構造的にカムシャフトが一本で済み、ヘッド部分の省スペース化と21.5度の狭いバルブ挟み角を実現しました。また小排気量モデルはどうしても高回転を多用する為、一次バランサーで単気筒の大きい振動を低減しています。キャブレターは32φのKEIHINのFCR15Cを装備します。
CRF150Rの始動はキック式で、オートデコンプレッションシステムのおかげで少ない踏力で始動出来ます。またホットスターターレバーを装備し、エンジンが暖まっている時の再始動をサポートしてくれる仕組みです。トランスミッションは5速MT仕様になります。
車体の基礎であるフレームはセミダブルクレードルフレーム。ロアパイプにはエンジンガードを配置して、泥や飛び石からエンジンを守ります。車両重量は82.9kg、大径ホイールのCRF150RIIは84.9kgと片足でも支え易い数字です。