ヤマハネイキッドの中でも最大排気量のXJR1300。ラインナップの中でもクラシックな路線のバイクですが、ヨーロッパではこうしたタイプのバイクが再注目され始め、未だに熱いモデルです。
最大クラスのXJR
XJR1300は、ヤマハの大型ネイキッドバイクです。往年のバイクファンの方にはペケジェイというと懐かしさを感じる方も多いのではないでしょうか。このシリーズは1994年に発売されたXJR1200より始まっています。その後1998年にモデルチェンジされ、現在のXJR1300がスタートしています。これらは、XJR400等が中心車種となっていましたが、400ccモデルはインジェクション化することなく2008年に生産を終えています。
このXJR1300は排気量がそれまでより若干拡大され、よりパワフルになりました。幅の広い4気筒エンジンですから、見た目の密度感もたっぷりですね。エンジンから伸びる4本のエキゾーストパイプも美しいです。更にエンジンの色やリアフェンダーも変更され、外見は新しく生まれ変わっています。
更に排ガス規制により2006年にインジェクション化され、左右両出しのマフラーが右側の1本になりました。リアサスペンションはオーリンズで、ライダーのライディングスタイルに合わせて足回りの調整が可能な仕組みです。ホイールサイズは前後17インチ。タイヤサイズはフロントが120/70-17、リアが180/55-17のラジアルタイヤを装着します。クラシカルなネイキッドらしく、タコメーターはアナログ2連です。
エンジンは1250cc、空冷4ストローク直列4気筒を採用しています。ボアストロークは79×63.8mm、圧縮比は9.7:1です。規制を考えると不利な空冷エンジンを現在も採用し続ける辺り、ヤマハのこだわりを感じますね。びっしりと並ぶ放熱フィンが美しく、空冷ファンにはたまらない部分です。ピークパワーは100馬力/8000回転、最大トルクは11.0kg-m/6000回転となっています。軽量な鍛造ピストンと、炭素を浸透させた浸炭コンロッドを採用したことでエンジンレスポンスが向上しました。街乗りで使われるネイキッドバイクの為、このXJR1300も下から厚いトルクが出ていますが、4気筒らしいスムーズな吹け上がりも残されています。トランスミッションの形式は5速MT仕様です。
燃料の供給は流石にキャブレターとはいかず、FIを使用します。サブスロットルバルブの追加で、ドライバーのアクセル操作に対してリニアに追従する出力特性を獲得しました。車重は大排気量のネイキッドだけあって重量は245kgとやはりそれなりの重さが有ります。
XJR1300はスペック的には最新鋭のスーパースポーツには見劣りしますが、ワインディングに持ち込んでも軽快さを損なわない様配慮されています。取り回しのしやすさ、足着き性も悪くなく、大型ネイキッドですが795mmとシートそのものは低めの設計です。純正でカフェレーサーの様なシングルシート形状を巧みに取り入れており、デザインにもこだわるヤマハらしい一台ですね。