今回はDucatiよりミドルクラスのSS、899パニガーレをご紹介します。1199パニガーレを排気量ダウンしたモデルで、ドゥカティ製SSのエントリーモデルとして販売されています。
ミドルクラスのパニガーレ
898ccということで、ミドルクラスSSの中でもレースベースではない稀有なモデルです。スタイリングは兄弟機の1199Panigaleをベースに面積の大きいフルカウルが美しい曲線を描いています。マフラーも上の写真の様な車体下に綺麗に収まるダウンショートタイプを本来使用しているのですが、日本仕様では規制の為、リアホイールまで伸びる大型マフラーに変えられています。
ドゥカティと言えば赤で統一されたカラーが有名ですが、ホワイト一色のモデルも用意されています。情熱的なレッドに対し、高貴な印象のホワイトも面白いですね。
シート高は830mmとそこまで高くは有りませんが、ハンドル高は低く前傾姿勢のきついSSらしいポジションです。
サスペンションはSHOWA製のBPF(Big Piston front Fork)。大径ピストンを用いたシンプルな構造は減衰力の応答性も良く、SSらしいしなやかさを演出します。ブレーキはフロントが320mmのダブルディスクに、BremboのM4モノブロックキャリパー。リアは245mmのシングルディスクに、こちらもBremboキャリパーを装着します。ホイールは前後17インチ、10スポークのキャストホイールです。
899Panigaleのエンジンは898ccV型2気筒のスーパークワドロエンジン。DUCATI定番のLツインとなっています。ボアストロークは100×57.2mmの超ショートストローク仕様です。各シリンダーに設けられる4バルブは、これもドゥカティ得意のデスモドロミックで、バルブスプリングを用いずカムとロッカーアームを組み合わせた精緻な動作で高出力を後押しします。ピークパワーは本国仕様で148馬力/10750回転(国内仕様は118馬力/8500回転)と、大排気量の2気筒エンジンを高回転まで回して4気筒勢に負けないパワーを発生させます。レース、スポーツ、ウェットといったモード選択でABSやDTC(Ducati Traction Control)の介入レベルを制御する仕組みです。アクセルはライド・バイ・ワイヤーで電子制御されており、その場その場に最適なアクセル操作をECUがサポートしてくれます。その為、悪天候や悪路を走行している際も安心です。急激なシフトダウン時にはEBC(Engine Brake Control)が働き、過度なホッピングを抑制する仕組みです。
エンジンを包み込むフルカウルでわかりづらいですが、エアボックスを兼ねる鋳造アルミ製のモノコックフレームにマウントされています。リアホイールを支持するスイングアームはオールアルミの両持ち形状です。車重は193kgと軽量で、フルパワーなら加速力は一般レベルのライダーには十分過ぎます。
価格は流石にドゥカティらしく180万円強と高価ですが、非常にキャラの立ったバイクですし、1199や1299に比べれば一般道でもアクセルを開けられて楽しみやすいというメリットが有ります。