スーパーモタードというと何処かマイナーカテゴリーで女性には敬遠される傾向に有りますが、そんな中でRIVALE800はオフロードベースでどこか土臭いモタードマシンをMV AGUSTAが解釈するとこうなるという非常に興味深い一台です。
独創的なMVアグスタのスーパーモタード
スタイリングはフラットダートを攻める様な荒々しさは感じず、とても流麗な外見をしています。シート周りのゼッケンプレートの造形もどこか艶かしく感じますね。ハンドル周りはビルドインウインカーのハンドガードやバーエンドミラーによってスッキリとまとめられています。アンダーガード等オフロード用の装備が付属しますが、どちらかというとオフロードで泥だらけにするのは勿体無い、オンロードの方が映えるデザインです。
フロントサスペンションはマルゾッキ、リアサスペンションはザックスの減衰力調整式で、ライダーに調整の余地を残しています。スイングアームはアルミの片持ち仕様です。ブレーキはオンロードでの制動力の高いフロント320mmのダブルディスクとラジアルマウントのBremboキャリパー、リアも220mmのシングルディスクとBremboの組み合わせです。ホイールは前後17インチのアルミで、120/70-17と180/55-17のディアブロロッソIIを履きます。最近のモデルでタンク容量が16Lに拡大され、航続距離を大きく伸ばしました。ポジションはMV AGUSTAのラインナップの中では比較的アップライトですが、シート高は881mm有り、足付きはやや人を選ぶ感じです。
搭載するエンジンはモタードの中でも珍しい798cc水冷並列3気筒です。ボアストロークは79mm×54.3mm、圧縮比は13.3:1となります。MV AGUSTAの他のモデルと共用という形で無ければ、中々3気筒のモタードというのはお目にかかれないでしょう。勿論このエンジンもMVアグスタ得意のラジアルバルブ仕様となっています。ピークパワーは125馬力/12000回転と、モタードとしてはかなり高回転寄りのエンジンです。この手のバイクはどちらかというと100km以下の元気の良さを重視する傾向が有りますが、RIVALE800は最高速も245kmまで伸びます。
フル・ドライブ・バイ・ワイヤになっている為、4種類のパワーモードと8段階の調整式トラクションコントロールに対応しています。レインモードも有りますから、雨の日での走行も安心です。クイックシフターのMV EAS (Electronically Assisted Shift)を搭載し、シフトアップ時のクラッチ操作の必要が無くなりました。車重は乾燥重量で178kg有り、モタードバイクとしてはやや重たく感じるかもしれません。