ハーレーダビッドソンの中でもスポーツ色の強いスポーツスターこと、IRON883。日本製のスポーツバイクとは明らかに方向性の異なる独特の路線で多くのファンを獲得しているモデルです。
雰囲気たっぷりのミドルクラススポーツバイク
ハーレーダビットソンのIRON 883は、ハーレー独自の世界が大きく映し出されたスタイリングを取っています。スリムかつパワフルなVツインエンジンは非常に迫力が有り、その上のタンクやタックロールシート、メーター周りは対照的にコンパクトにまとめられています。そのスタイリングからストリートに映えるバイクとして人気を得ています。露出するV型エンジンや力強いフロントエンドは、これまで以上のパワフルさをイメージさせてくれます。スチール製のタンクは、本場のアメリカンモーターサイクルの技術が全てに反映されています。
また、IRON883は快適性にも強くこだわっており、スリムで無駄がないスタイルの中に、最高の乗り心地感があります。大排気量の2気筒ということでゴツイ振動が有りそうですが、ラバーのエンジンマウント等で対策して、走行中の振動を抑えています。
フロントには39φの正立フォークとシングルディスクブレーキがセットです。このクラスになるとダブルディスクが標準的ですが、IRON883の独特のスタイルを崩さない様に敢えてシングルディスクを採用しました。リアのツインショックにはプリロード調節機能が備わっており、足回りのセッティングを好みに変えることも出来ます。フロント19インチ、リア16インチのアルミキャストホイールのデザインも全体の雰囲気に上手くマッチしていますね。ミシュランがハーレー専用に用意しているScorcherもストリートにおける安定したグリップ力を発揮してくれます。
IRON 883に搭載されているエンジンは、空冷45度バンクV型2気筒のEvolutionエンジン。狭角のV型に設計することで独特の鼓動感を得ています。ボアストロークは76.2mm×96.8mmとかなりのロングストローク設計です。燃料の供給はFI化されたことでメンテナンスの手間を省いています。更に全体をブラックで塗装することでこの独特の存在感を演出します。テーパーピーナッツタンクは12.5Lの容量が有り、ツーリング用途には十分でしょう。車両重量はコンパクトにまとまった見た目とは裏腹に247kgと重量級のバイクです。ハーレーというとタンデムでのツーリングも余裕でこなす印象ですが、このIron883に関しては意外に硬派な作りをしています。街乗りを優雅に流しても、たまにワインディングで元気良く走っても活きるバイクです。