ダートトラッカースタイルのホンダFTR。オンロードメインで運用しつつ、オフロードもそれなりに楽しめる一台です。見た目以上に軽く、自在に振り回せるバイクになります。
FTR 2000-
ホンダのFTRは、2000年に現在の223ccのエンジンを載せて販売がスタートしました。初代はどちらかと言うとフラットトラッカーの要素が多いバイクでしたが、このモデルは比較的シンプルにまとめられています。2016年までに数回のマイナーチェンジを経て、エンジン出力等も調整を受けました。FTRのエンジンはCB223にも使われており、排ガス規制に対応できるキャブレターが特徴です。その為メンテナンスが大変ですが、カスタム要素は残されています。ただオフロード走行も考慮したコンセプトの都合、オンロードで極めて高い性能を出そうとすると厳しいです。
サスペンションはフロントにφ37の正立フォーク、リアスペンションにモノショックを使用しています。ホイールは前後18インチのスポークホイールで、ゴツゴツしたオフロードでは衝撃を受け止めるサスペンションの役割も果たします。タイヤはDUNLOPのK180を使用したことで、よりダートトラッカーらしさを強調しています。オーバルコースを旋回するダートトラック競技向けに、左右のタイヤパターンが切り替えられており、土の上で高いグリップ力を発揮する仕組みです。勿論FTRが主に走行するであろう舗装路も大丈夫です。
こちらはFTRのトリコロールカラー。いかにもホンダらしい鮮やかな三色仕上げです。このモデルではリアシート下にゼッケンプレートを配置して、いかにも競技車両の雰囲気を放っています。価格も他のモデルと差は無く、よりダートトラッカーらしさを求めるならこのモデルです。
FTRのエンジンは223cc空冷4ストローク単気筒。圧縮比は9:1、ボアストロークは65.5×66.2mmとなります。燃料供給に使うキャブレターはVE3DC。ピークパワーは16馬力/7000回転、最大トルクは1.9kg-m/5500回転となっています。2007年の排ガス規制に合わせる形で、馬力は19馬力から16馬力に落としています。エンジンをマウントするフレームはセミダブルクレードルフレームです。車両重量は128kgとかなり軽い為、オフロードの様な極端に道が悪い所でもバランスが取り易い仕様です。車体構成がネイキッドに近い為、シート高が780mmと低いのも特徴です。オフロードバイクのCRF250Lに比べると95mm低くなっています。新車の価格相場は約42万円からと手頃なことから、カスタムベースとしても人気が有るバイクです。カスタムの方向も様々で、購入後アフターパーツには困らないでしょう。