VYRUSのフラッグシップモデル、VYRUS 987 C3 4V。独特な車体構成は更に進化し、更に出力も下位モデルより大きく向上しています。非常に高価なバイクですが、それに見合う魅力に溢れるネイキッドです。
167馬力のVYRUSのフラッグシップ
ライト横に突き出たインテークやセンターアップマフラー等、見た目はVYRUS 984 C3 2Vに近い物が有りますが、デザイン的なインパクトはこちらも負けていません。サスペンションは特徴的なハブセンターステアリングのフロントだけでなく、リアもVYRUSの特別製となっています。普通のバイクとはかなり異なるレイアウトを取っている為、サスペンションの取り付け位置が見慣れない所になっているのが面白いですね。ステアリング操作の為のロッドも赤く塗装され、見た目の良いアクセントになっています。
ブレーキは320mmのダブルディスクと210mmのシングルディスク仕様。フロントブレーキは、スイングアームが真横に存在する為、ディスクの下側にキャリパーを動かしています。タイヤは前後17インチ。120/70-17と190/50-17のタイヤを履いており、特にリアタイヤはエンジンパワーに合わせてVYRUSのラインナップの中でも特に幅広の物を装着しています。オプションですがマグネシウムホイール等、更なる軽量装備も設定されています。
VYRUS 987 C3 4Vに搭載されているエンジンはドゥカティ製1198.4ccL型2気筒。ボアストロークは106mm×67.9mmと非常にピストンが大径です。圧縮比は11.5:1となっています。最大出力は167馬力、最大トルクは13.5kg-m、最高速は295km/hに達します。4バルブはドゥカティが得意とする精密なデスモドロミックで、バルブスプリングを用いず機械的にバルブを開閉します。バルブの抵抗や、高負荷時の波打ちが無く高回転化しやすいのが特徴です。エンジン前方にスイングアームが有るので、ラジエーターはその下に設置されました。VYRUS 987 C3 4Vでは、そのパワーをより路面に伝えられる様に3モードのトラクションコントロールにも対応しています。トランスミッションは6速MTに乾式クラッチ、燃料タンクは12Lとなっています。カーボンが多用されたボディは乾燥重量159kgと比較的軽量な仕上がりです。複雑な構成は非常にユニークですが、特殊仕様が多く、その為にかなりの高級バイクというのが難点です。