ホンダのミドルクラスオフロード、XR650L。国内ではXRシリーズは順次販売が終了した中、北米では継続して販売が続けられている息の長いモデルです。
XR650L 1993-
デザイン的には四角いヘッドライトやシートのデザイン等、長い間継続販売されたモデルだけに、ややレトロな感じは否めません。一方、最近のスタイリッシュになっていくオフロードバイクに違和感を覚える方にはグッと来るデザインではないでしょうか。
サスペンションはフロント側がSHOWA製の43φカートリッジフォークになっています。16段階の減衰力調節機能付きで、使用用途に合わせたセッティングにライダーが調整することが出来ます。リア側のプロリンク式のモノショックも、同じくSHOWA製ですね。XR650Lはトレールバイクの為、サスストローク量はオフロード走行を想定して設計されています。ブレーキは前後共にシングルディスクで、フロントは2ピストンキャリパー、リアは1ピストンキャリパーです。リアのブレーキディスクには、走行中の破損防止目的に大きなガードが備え付けられているのが特徴的です。ホイールはフロント21インチ、リア18インチで、オフロード走行時の走破性を高めています。タイヤは勿論ブロックタイヤですので林道に持ち込んで十分走行出来ます。
エンジンは644cc4ストローク空冷単気筒。ボアストロークは100×82mm、圧縮比は8.3:1となっています。オイルの潤滑は、オイルタンクから圧送するドライサンプ式にすることで、オフロードバイクに必要な地上最低高の高さを稼いでいます。燃料の供給には42.5φのキャブレターを使用しています。トランスミッションは5速MT、駆動はチェーン式です。フレームはオフロードバイクらしく、スチール製のダブルクレードルフレームを採用しました。XR650Lの始動はセルスターターの為、ハンドルのスイッチで簡単に始動させることが可能です。シートがやや厚く、高さも940mmと高い数字ですから、日本人の体格には苦しいかもしれません。タンクは10.5Lとやや小振りのタンクとなっています。車両重量は、乾燥時に146kgですから、実際のオフロードでもリッタークラスに比べれば大分軽快感が有ります。ミドルクラスの排気量の為、250ccクラスよりは明らかにエンジンパワーに余裕が有り、走破性の高さが魅力です。小排気量車とはまた違うツーリングの楽しさを体験させてくれそうです。