サーキット走行に特化したPanigaleシリーズとは別に、フルカウルのスポーツツアラーとしてドゥカティが新たに設計したのがこのSuperSport。タウンユースに使い易いスポーツバイクにまとめられています。
ツーリング派に嬉しい新型フルカウルスポーツ
スタイリングはPanigaleよりも若干メカチックなフロントフェイスになっており、サイドカウルのデザインも含めてよりシャープな感じが強調されました。片持ちスイングアーム形状もレーシーさを感じさせるデザイン的なアクセントになっています。ドゥカティ的には普段使いもいけるマシンとのことですが、他社製フルカウルツアラーに比べるとポジションはかなり前傾気味で、スポーティさも犠牲にしない設計になっています。シート高は810mmと、極端な高さにはなっていません。車両重量は210kgとPanigaleシリーズよりはやや重めな印象です。SuperSportは、既存のSSであるPanigaleで長距離ツーリングは負担が大きい、という方向けに気持ちマイルドにした感じですね。オプションでサイドバッグが設定されており、荷物の積載性も考慮されています。
サスペンションはマルゾッキ製43φ倒立フォーク、リアはザックス製のモノショックを搭載します。ブレーキはBrembo製4ピストンキャリパーをラジアルマウントで装備、リアも同じくBremboの2ピストンキャリパーです。ホイールは前後17インチ、タイヤサイズはフロント120/70-17、リア180/55-17で、ピレリ製ディアブロ・ロッソ3を装着しています。
搭載されるエンジンは937cc水冷L型2気筒テスタストレッタ11°。ボアストロークは94×67.5mm、圧縮比は12.6:1となっています。最大出力は131馬力/9000回転と、近い排気量のSSである959Panigaleに比べるとわずかに低く数字です。ボアストロークもこちらよりロングストロークに振られ、普段多用する低い回転数のトルクをしっかり確保しています。スロットル部分は電子制御のライド・バイ・ワイヤ化されており、3つのライディングモードに切り替えることが可能です。スポーツ走行時にフルパワーを発揮するスポーツモードや、低速走行時あるいはウェット路面で75馬力までパワーを落として扱い易くするアーバンモード等、走行シーンに合わせたセッティングに切り替えることが出来ます。
こちらは上位グレードのSuperSportS。最大出力に変更は無く、足回りや電子制御面を充実したパッケージになっています。サスペンションはSuperSportSでは前後オーリンズに変更されます。フロントフォークはフォーク径も太く、カラーもゴールドの為、より重厚感を増した外見となります。またベースグレードでオプション扱いだったDQS(Ducati Quick Shift)も標準装備され、シフトアップ/ダウン時のシフト操作をサポートしてくれます。またスタイリング面では、リアシートにカバーを装着してシングルシートに見せているのが特徴です。