ZERO MOTORCYCLESの誇るスクランブラーがこのZERO DS。オンロード用のSシリーズに比べ、ホイールやタイヤ等をオフロードに対応させることで、幅広い路面を走行出来る様になっています。
電気バイクのスクランブラー ZERO DS
スタイリングはSシリーズに近いですが、オフロードライクなフロントフェンダーの追加、ブロックタイヤの採用等で差別化しています。DSの方が路面を選ばず、出かけた先で軽い林道に迷い込んでしまった様な場合でも安心感が有りますね。砂利道の上でも高いトラクション性能を発揮するDSなら、慣れない土地でも気兼ね無く走行することが出来ます。
サスペンションはSHOWA製φ41の倒立フォークに、リアは同じくSHOWAのモノショックで、青色のスプリングが目を引く仕様です。サスペンションは前後共にフルアジャスタブルとなっています。
ブレーキは320mmと240mmのシングルディスク仕様。キャリパーはJJUAN製の物を組み合わせます。ABSはボッシュのABS Generation9を標準装備しており、急制動時のホイールロックや後輪のリフトといった不安定な状態を回避します。
ホイールサイズはフロント19インチ、リア17インチのキャストホイール仕様で、特にフロントに大径ホイールを採用していることがポイントです。タイヤはエンデューロタイヤのPirelli MT60を装着しています。
駆動用のモーターには軽量コンパクトかつ大出力のZ Forceモーターを使用しています。モーターの出力はバッテリーの容量で調整され、最もバッテリー容量が小さいZF6.5仕様で34馬力/5200回転となっています。最大トルクは10.8kg-mです。ZERO DSではバッテリーの容量が選べるので、大容量バッテリーを搭載したZF13.0仕様では、出力は60馬力/5300回転へと大きく向上します。また移動可能距離も長くなる事から、頻繁に給電できない環境では大容量モデルの方がパワーも有り重宝しそうですね。
車両重量は選択するバッテリーにより異なり、最軽量で144kgから207kgとかなり幅が広くなっているのが特徴です。バッテリーをフル充電して走行出来る距離も119kmから296kmと倍以上の開きが有る為、軽量さを取るかロングライドを取るかで車両重量は変わってきます。最高時速は146km/hから158km/hと、日本国内での運用では十分なスペックです。バッテリーやモーターを固定するフレームには航空機グレードのアルミ製ツインスパーフレームが使われています。
気になる価格はアメリカ本国の価格で約1万ドルから1万6000ドル、ざっくりと日本円にすると110万円から170万円程でしょうか。やや特殊な車両なので、一般的なバイクと比べると価格は高めになっています。ただし全く入手できない程でもなく、こだわる方には入手できる現実的な値段と言えます。
更なるハイパフォーマンスモデル DS R
ノーマルのDSに物足りない方の為に、モーターを高出力仕様の75-7Rに換装した強化モデルDS Rも設定されています。車体側はDSとかなりの部分を共通している為、サイドのRロゴを除けば、見た目に大きな差異は有りません。ただし最大出力は70馬力/3500回転、最大トルクは16.0kg-mと大幅上昇し、性能重視の方にふさわしい内容になっているのが特徴です。また高出力化に伴い、最高速も164km/hとわずかに上昇しています。車両重量は190kgから210kgと、DSのZF13.0仕様とそこまで変わっておらず、バッテリーの持ち時間も同じくらいです。
価格は170万から200万と高額ですが、多くのパーツを共有している為、そこまで大きな金額差とはなっていません。こちらの方がより贅沢な仕様であり、より高性能なモデルを求める方には最適です。