50cc~

YSR50 / YSR80 (ヤマハ)

ヤマハ YSR50/YSR80

50ccクラスでレーサーレプリカをコンセプトにヤマハが市場に投入したのがこのYSR50。当時のワークスマシンのYZR500をミニサイズにすることでレーサーの雰囲気を持たせたミニバイクです。

YSR50 1986-1992

全長1575mmとかなり小柄なマシンですが、前述の通りワークスマシンをモチーフにしたカウルを装備することでレーサーレプリカらしい外見に仕上がっています。車両重量は見た目以上に軽い75kgで、取り回しの良さ、路上での軽快感に優れています。またこのモデルではゴロワーズカラーのブルーや、テック21のパープル等、見た目も楽しませてくれるカラーリングが多数ラインナップされたことが特徴です。

排気量が50ccということでホイールは12インチの小径ホイールを採用しています。ブレーキはフロントにディスクブレーキ、リアはドラムブレーキです。エンジンは49cc空冷2ストローク単気筒。ボアストロークは40×39.7mmで設計されています。後発のNSR50が水冷エンジンでしたが、YSR50も空冷エンジンで7馬力/8800回転と遜色無い性能を達成しています。吸気効率を向上させる為にYEIS(Yamaha Energy Induction System)を搭載しており、吸気側にチャンバーが設けられています。低速でのレスポンスを改善し、50ccでもスポーツ性を楽しめる様に工夫されています。トランスミッションは5速MT、マフラーにはチャンバータイプ、シートはレーシーなシングルシートカウル、セパレートハンドル等、エントリークラスのマシンでもレーシングマシン的な乗り味を楽しんでもらおうというヤマハの意気込みが散見されます。

また原付免許に収まらない79ccモデルとしてYSR80も併売されていました。こちらは30km/h制限等に縛られず、最大出力も8.8馬力に若干向上したモデルになっています。価格も3万円程とそこまで差が無く、現代の125ccの様に制約を受けず小型軽量な車体を楽しめるバイクとして販売されました。

88年に後期モデルにマイナーチェンジ

YSR50はサーキットで使用される事も多かった為、ライバルのホンダNSR50に対抗する形でマイナーチェンジを実施しています。車体を共通するYSR80も同年にマイナーチェンジが行われました。空冷エンジンはそのままでしたが、フロントのディスクブレーキがマルチホール化され、フレームもダブルクレードルタイプになり剛性を高めています。

YSR50は当初から18万9000円と価格的には割安に設定されていたことも有り、人気の高いモデルでしたが、激化する競争に92年をもって生産終了となっています。ヤマハの50ccスポーツバイクはTZM50Rへと引き継がれることになります。

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