しばらく使っていたヘッドホンのヘッドバンドが経年劣化で遂に破損した為、先日自室用のヘッドホンを新調しました。幾つか候補が挙がりましたが、最終的には構造的にユニークなFOSTEXのT50RPmk3nを購入しました。
FOSTEXは各メーカーのOEMも行っているメーカーで、特にスピーカーユニットの品質にはかなり定評が有ります。スピーカーを自作される方はお世話になったことも多いのでは。そういうわけで音質面や技術面では比較的信頼のおける所です。
ヘッドバンドの白いビッグロゴは中々インパクトが有ります。全体的に黒で統一されたカラーリングですが、オレンジ色のケーブルがアクセントになっています。たまにひっかけそうで怖いですが…。
今回購入したT50RPの特徴は何といってもドライバーユニットに一般的なコーン型では無く平面振動板を用いた平面駆動型を用いている点です。構造的に特殊であまり採用しているところはありません。平面振動板を使用するヘッドホンでは、STAXが有名どころですね。アンプと一体型の特殊な機材の為、こちらは高級機ですがその分音質は抜群で私も大好きなブランドです。ただしSTAXで弱めの低音はT50RPではしっかり出ているのでそこは安心して頂いて大丈夫です。比較的歯切れの良い低音で量感もばっちりですから、大抵の人を満足させられると思います。入力に対する応答性の良いプリンテッドコイルのおかげでヴォーカルの再現性も上々です。もう一段のクリアさが欲しい方は開放型のT20RPもいいかもしれません。
ただしT50RPの価格帯2万円クラスというのは各社コストパフォーマンスの良い製品を揃えている激戦区です。ソニーのMDR-1AやゼンハイザーのHD599、AKG K701等どれを選んでも外れがありません。その分ユーザーサイドからすると嬉しい限りですが、その中でT50RPを選ぶということは平面振動板を選ぶということとほぼ同義です。
難点を挙げるとすればヘッドバンド周りの作りがちょっと弱く、フィット感を損なっているところでしょうか。シンプルな構造なので今後の改良に期待したいです。イヤーパッドの素材、側圧は非常に快適です。
ちなみにRPシリーズは3つのバリエーションが存在して、T50RPはハウジングに若干の空気の抜けを設けているセミオープン型になります。音漏れが気になる方は密閉型のT40RPの方が適しています。
T40RPに関しては追加で購入しましたので、こちらの記事を参考にして下さい。 →T40RPmk3nのレビュー
逆にヘッドホン特有の篭り感を気にされる方は開放型のT20RPが向いているでしょう。比較的クリアな音質を得やすい開放型に対し、密閉型は低音にパンチが有ります。T50RPに関してはベースモデルということも有り、比較的癖の無い作りですがこの3つは価格も近いのでユーザーの好みや環境で選ぶのが良いでしょう。