ハブセンターステアリングが独創的なビモータのテージシリーズ。今回それをベースにクラシカルなカフェレーサースタイルに仕立てたのがこのTesi3D RaceCafeです。
ビモータ製の異色派カフェレーサー
フレームやサスペンションなど、骨格となる部分はTesi3Dと同一ですがライトやタンク、シシートにはかなり手を入れてカフェレーサーの雰囲気を出しています。とはいえ元がストリートファイターの中でも一際異彩を放つデザインだっただけに、単純にクラシックとモダンが融合した不思議なデザインとなっています。
サスペンションはハブセンターステアリングという特殊な構造上、前後にオーリンズのモノショックが設けられています。更にホイールを支えるスイングアームはカーボンになっており、身近で見るとかなり存在感の有る車体ですね。
ブレーキはフロントに320mmのダブルディスクとBremboの4ピストンキャリパー、リアに220mmのシングルディスクと2ピストンのシングルキャリパーを組み合わせています。
ホイールは前後17インチで、タイヤサイズはフロント120/70-17です。リアタイヤのサイズは複数種ラインナップなされており、180から200の間でタイヤ幅が広がります。ちなみに元のTesi3Dは180です。リアの迫力を考えれば200も有りですが、このバイクのパワーを考えればTesi3Dと同様の180でも不足は有りません。
ベースとなったTesi3Dはドゥカティの1078ccL-ツインエンジンを搭載していましたが、パワーよりもフィーリング重視で設計されたRaceCafeにはドゥカティ スクランブラーに搭載されている803ccの空冷2バルブL型2気筒エンジンが搭載されています。ボアストロークは88mm×66mm、圧縮比は11:1です。見た目からしてスパルタンなバイクなので、高出力化の難しい空冷エンジンを選択するというのは少し意外でした。仮にスクランブラーと同等の出力になるなら75馬力/8250回転となります。Tesi3Dは100馬力のバイクなので、より排気量の小さい空冷エンジンを選択したことで2割程度パワーダウンした形になります。いずれにせよ、ビモータがこれまでドゥカティから調達してきたようなハイパワーエンジンとは性質が異なります。
単に外装をカスタムしただけでは無く、内部まで手を入れたビモータならではのカフェレーサーとして仕上がっている興味深い一台です。近年流行するオールドルックはどうしても差別化のしづらいクラシックな外見になるので、そういう意味では思い切った一台と言えます。