MTシリーズの旗艦モデルとして君臨していたMT-01。1670ccもの大排気量の空冷エンジンと、運動性能を重視したスーパースポーツ譲りの足回りで幅広い局面で乗り味を楽しめる大型ネイキッドです。
MT-01 2005-2009
MT-01のスタイリングの魅力は何といっても大排気量Vツインエンジンに起因するサイドにうねるように伸びたエキゾーストパイプと2本だしのセンターアップマフラーの造形美でしょう。大きな丸形ライト等、ビッグネイキッドとしての風格は十分です。
サスペンションはフロント側にφ43の倒立フォーク、リア側は逆トラス形状スイングアームに合わせてモノショックがほぼ真横に配置したことで高いスポーツ性を獲得しています。
ブレーキはフロントに310mmのダブルブレーキディスクと6ピストンキャリパーを装備して高い制動力を得ています。リアは267mmのシングルディスクと2ピストンのキャリパーの組み合わせです。またMT-01は車体左にリアブレーキ、右側にチェーンというレイアウトを取っているのも特徴です。MT-01の場合、265kgと車両重量もかなりの物なのでYZF-R1の足回りを流用することで安全かつ強力なブレーキを実現しました。
ホイールは4本の十字型のキャストホイールで少し珍しい形をしています。タイヤサイズはフロント120/70-17、リア190/70-17となっており、リア側の太さがかなり有ります。
エンジンは1670ccの空冷OHV4ストロークV型2気筒。ボアストロークは97mm×113mm、圧縮比は8.4:1となっています。国産バイクとしては非常に珍しい超大排気量の空冷エンジン、更にロングストローク設計のおかげでトルクも太いという正にパワーの塊の様なエンジンです。最大出力は90馬力/4750回転、最大トルク15.3kg・m/3750回転とかなり特徴の有るスペックです。1670ccを2気筒に分けている為、高回転化せずに極力低い回転数からパワーを得る設計になっています。またMT-01のキャラクターとして重視したトルク値はメガスポーツ並みの数字を記録しています。XV1600系のエンジンをベースにしていますが、ピストンやメッキシリンダー等、MT-01に搭載する課程で多くのパーツが手直しされています。排気系にヤマハの
EXUP(Exhaust Ultimate Powervalve)を搭載し、エキゾーストパイプの集合部分に設けられたバルブがエンジン回転数に応じて開閉することで排気効率を向上させることでトルク特性を改善してくれます。