国内への導入も決まったBMWの大型電動スクーターC EVOLUTION。充電のインフラ問題など課題も多いですが、Cシリーズの走りの良さを持った新世代のスクーターです。
C EVOLUTION 2014-
外見はC600Sportに近い2眼ライトですが、他のどの兄弟機とも異なるデザインを採用しています。全体的にフラットなパネルを組み合わせた様なデザインで、スマートかつ高級感の有る仕上げです。バッテリーカバーの緑色も見た目に鮮やかですね。
コクピットは他のCシリーズに比べると、アナログメーターが無くなり、代わりに液晶パネルを中心に配置する形になっています。そのおかげでコクピット全体がスッキリして、先進的な印象を与えます。またスクリーンが短めにカッティングされているのも特徴です。
グローブボックス部分は充電用のプラグ差込口にもなっています。フル充電までは200Vで約4時間かかる設計です。ガソリン車は汚れを気にする女性が少なからずいるため、プラグを差し込むだけの電動バイクは好まれそうですね。
シート下はヘルメットを収納するラゲッジスペースとなっています。ヘルメットが丁度収まるくらいのサイズなので、ビッグスクーターと考えるとやや物足りないかもしれません。そういう方にはトップケースの追加で対応する方向になっています。
サスペンションはφ40の倒立フォーク、リアは7段階のプリロード調整付きのダイレクトリンクスプリングストラット付シングルスイングアーム。ブレーキにはフロントに270mmのダブルディスクと2ピストンキャリパー、リアに270mmのシングルディスクと2ピストンキャリパーを装備します。
ホイールは前後15インチの鋳造アルミホイール。タイヤサイズはフロント120/70-15、リア160/60-15です。電子制御としてはTCA(Torque Control Assist)を装備しており、ホイールロックを防ぐABSと、リアホイールの空転を防ぐトラクションコントロールの機能を兼ねています。
今後販売される国内仕様では、BMWの電気自動車i3に搭載されている94Ahの大容量空冷リチウムイオンバッテリーが使用され、充電後に160kmの走行距離を確保しています。使用車両重量はその大容量のバッテリーを積載する都合、かなり重めな265kg有ります。
最大出力は35km(48馬力)/4650回転、最大トルクは7.34kg・m/0~4500回転です。モーターの構造上、C EVOLUTIONはかなり低い回転数から高いトルクが出る仕組みになっています。0-100km/h加速は6.2秒で、コミューターとしてはこれだけの数字が出れば十分過ぎるでしょう。最高速は129km/hにリミッターがかけられています。また任意で切り替えるライディングモードはROAD、ECO PRO、DYNAMIC、SAILと4つが設定されています。
ガソリンエンジンを積んだ他のCシリーズは60馬力有るのですが、国内では電動バイクは製品自体が少なく、免許の適応範囲もやや特殊です。それに関しては一覧も別にまとめました。
C EVOLUTIONの出力35kwは法律上250ccクラス相当になる為、大型免許が無くても乗車が可能です(ガソリンエンジンのC650Sportなどは大型免許必須)
48馬力のC EVOLUTIONは、ガソリン仕様の400ccビッグスクーター(スカイウェイブ400やシルバーウイングGT400)に比べると出力面で上回っており、よりハイパワーなスクーターが欲しい中型免許保持者には良いかもしれません。
ただし車両価格は約150万円と非常に高額な為、「金に糸目をつけない」が付きますが…。大型免許を取りに教習所へ通うのが億劫な人も一定数いるので、そうした層に刺さる可能性は有ります。