これまでに無い近未来的なデザインで、バイクに興味の無い層からも直感的にかっこいいと思ってもらえるバイクとなったNM4-01。独特なデザインセンスでバイク業界以外からも注目を集めた一台です。
NM4-01 2014
デザインはフロントマッシブスタイリングをテーマに、フロント側に大きくボリューム感を持たせた構成で、ミラーまで一体化したハンドル周りは18インチのフロントホイールが小さく見えるほど高い密度感を出しています。ライト横に継ぎ目が有りますが、ここはユーティリティスペースも兼ねており、簡易的な収納スペースにもなっています。12Vのソケット付きで、機器の充電も可能です。
また液晶メーターを中心に据えたコクピットも外観に負けないSFライクなデザインにまとめられています。
クルーザースタイルのため、シートは大型バイクとしてはかなり低く、650mmという座りやすい数字です。ライダー用に折りたたみ式の3段調節式バックレストが付いているのも疲労軽減には有り難い装備です。車両重量はミドルクラスとしてはやや重く、245kg有ります。
サスペンションはφ43の正立フォークにプロリンク式のモノショックの組み合わせ。ブレーキはフロントに320mmのシングルディスクと2ピストンキャリパー、リアは240mmのシングルディスクとシングルピストンキャリパーを組み合わせています。ホイールは10本スポークのアルミキャストホイールで、フロント18インチにリアは17インチとなっています。タイヤサイズはフロントが120/70-18、リアは200/50-17でNCシリーズの兄弟機と比較してもかなり太めのタイヤを履くことで、リアビューの迫力はシリーズ随一です。
エンジンはNC750シリーズをベースにした745cc水冷直列2気筒。ボアストロークは77mm×80mm、圧縮比は10.7:1です。最大出力は54馬力/6250回転、最大トルクは6.9kg・m/4750回転となっています。
NCシリーズ譲りの為、NM4-01もトランスミッションは自動変速の6速DCTを搭載しています。スタイルやポジションもグランドツーリング的なバイクなので、変速を機械に任せたAT的な乗り方がよりマッチするでしょうし、ユーザー的にもプラスの恩恵が大きいでしょう。一般道でのスムーズさに向いたDモード、加速力などある程度スポーティさが欲しいときのSモード、それにライダーの任意でシフトアップ/ダウンするMTモードが備えられています。
NM4-02 2014-
更にNM4シリーズのバリエーションモデルとしてNM4-02も追加で販売がスタートしました。デザインの方向性はそのままにリアボックスを追加してボリュームアップを果たしています。左右各7.5Lの収納スペースになっており、NM4をクルーザーと見ていた方には嬉しい追加です。ATの利便性ともマッチしており、更に使いやすくなりました。更にETC車載器、グリップヒーターといった快適装備も盛り込まれ、価格的には約15万円アップの120万円(税込)です。価格的にはNM4-01とやや開きがありますが、リアボックスはホンダ純正の為、デザインの一体感が高く、後付けでボックスを追加してNM4の雰囲気を壊すことが有りません。車両重量は追加装備のため、255kgに増加しています。
またNM4シリーズはドラマや映画での採用例も多く、ホンダがバイクを供給している仮面ライダーシリーズでは「仮面ライダードライブ」の劇中車として使用されました。ライドマッハーは実車としてのNM4の雰囲気をかなり残しつつ、特撮作品の作風にマッチした造形にアレンジが加えられています。ベース車の面影をかなり残しているのでレプリカを作るファンもチラホラ…
2017年では攻殻機動隊を原作にしたハリウッド映画「Ghost in the shell」の中でもNM4をベースにしたバイクが登場しました。こちらはクルーザー的なポジションを見直しフルカウルに近いスタイルに変更しています。後者はシルエットを大幅に変更していますが、それでも実走可能な状態で作られています。NM4シリーズはスーパースポーツ的な使用を想定して作られたバイクではありませんが、これはこれで販売すれば売れそうなほどスポーティな仕上がりです。