今でもストリートファイター系バイクの名作デザインと扱われることの多いドゥカティ ストリートファイター。上位グレードのSも合わせ、スーパースポーツ譲りの運動性能とネイキッド独特のデザイン性が両立したモデルでした。
ドゥカティ ストリートファイター 2009-
デザインはクラシカルなモンスターシリーズに比べ、1098の面影を残しつつ異形ライト化したフロント周りや迫力の有るサイドマフラーなど、いかにもストリートファイターらしく仕上がっています。
シート高が840mmとネイキッドバイクとしてはやや高めで、ポジションもスーパースポーツと遜色ないレベルの前傾姿勢で、ストリートモデルながら攻めのバイクとなっています。ただし流石にネイキッドとしてはやり過ぎだったのか、12年モデルでハンドル高を20mm高く調整しています。
またセンターアップマフラーの1098に対し、ストリートファイターは右側に2本のサイレンサーを配する形となっています。
サスペンションはフロントにSHOWA製φ43の倒立フォーク、リアにも同じくSHOWA製のモノショックを装備しています。
ブレーキはフロントに330mmのダブルディスクとBrembo製の4ピストンラジアルマウントモノブロックキャリパー、リアには245mmのディスクと2ピストンキャリパーを組み合わせています。ホイールは前後17インチ、タイヤサイズはそれぞれ120/70-17、190/55-17のピレリ製ディアブロコルサⅢを装着します。
エンジンはスーパーバイク1098譲りの1099cc水冷L型2気筒のテスタロッサ・エボルツィオーネ。ボアストロークは104mm×64.7mm、圧縮比は12.5:1です。
スーパースポーツから移植されたエンジンを使うことで最高出力155馬力/9500回転、最大トルク11.73kg・m/9500回転と、現在でも全く色褪せないハイスペックを実現しています。本来ネイキッド化に際して特に出力を落とす様なことはしていないのですが、国内仕様に関しては日本国内の法規制に対応するため、最高出力は106馬力/7000回転、最大トルクは10.9kg・m/7000回転に調整が加えられています。
フレームは造形美と剛性の両立したスチールパイプトラスフレーム。2012年以降はフレームのカラーがドゥカティらしい赤にペイントされています。スイングアームはアルミ製の片持ち形状となっています。
ストリートファイターS 2009-
またストリートファイターには上位グレードに当たるストリートファイター Sが設定されていました。2012年以降はベースグレードが廃止され、Sモデルのみの販売になっています。
スペック的な特徴としては、まず前後のサスペンションがオーリンズ製のφ43窒化チタンコーティング倒立フォークと、トップアウトスプリング付モノショックに変更されています。17インチのホイールはマルケジーニ製鍛造ホイールになり、タイヤもピレリのディアブロロッソコルサにすることで軽量化とドライグリップを向上させました。またベースグレードがフロントのみBremboのキャリパーを使用していたのに対し、SグレードではリアにもBremboの2ピストンキャリパーを装備しています。
電子制御面でもリアホイールの空転を抑制するDTC(Ducati Traction Control)、速度やエンジン回転数、スロットル開度を記録するデータロガーのDDA(Ducati Data Analyzer)が標準装備され、ベースグレードと差別化を図っています。