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会場は浜松のモトサービスエッジ様
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9月24日(日) 電動バイク試乗会やります!
久々のブログ更新です!— 岸本ヨシヒロ(MIRAI) (@evmirai) 2017年9月18日
きっかけは以前からフォローしていたTEAM MIRAIのtwitterでゼロモーターサイクルズの試乗会の告知が有ったこと。国内で試乗出来る機会は稀ですし、幸い開催地が近かったのでお邪魔することに。
今回の会場は静岡県浜松市のモトサービスエッジ様でした。現地にてご対応頂いたモトサービスエッジの五十嵐様、TEAM MIRAIの岸本様、お忙しい中に誠に有難う御座いました。
私が順番を待っている間も続々と試乗希望者が訪れて、ゼロモーターサイクルズの注目度の高さを改めて感じた試乗会でした。
現地では実際に搭乗する試乗車の他、TEAM MIRAI様からパイクスピークに参戦している韋駄天FXS改も展示されていました。ベースとなっているのは今回試乗したFX Sです。ただしレース車両として純正から大きく出力アップしているとのこと。フロントフォークやキャリパーなどもそれに合わせて換装されていました。タイヤも細く、ベースのFX Sより一層コンパクトな印象を受けます。
ヘッドライト部分には車載カメラが内蔵されており、今年のパイクスピークの様子もYouTubeにアップロードされています。
今回試乗できたのはSRとFX S
ゼロモーターサイクルズはネイキッド、スクランブラー、モタード、オフロードと一通り車種が揃っています。その中でも今回はネイキッドのSRとモタードのFX Sを試乗することが出来ました。
まずこちらがネイキッドのSR。
ネイキッドはSと上位モデルのSRが存在していて、こちらはよりパワフルなSRです。最高出力は70馬力なのでミドルクラスネイキッド相当、跨った感じはCB400SFくらいのサイズ感になります。ただしモーター特有の高トルクで16kg・mと非常に高い数字を記録してるのが特徴です。ネイキッドバイクでこれだけトルクの有る車種は中々無く単純に比較できませんが、数字的には大型ツアラーのゴールドウイングくらい有ります。
次にスーパーモタードのFX Sです。
モタードは言うまでも無くオフロードベースのバイクのため、特に外車は日本人の体格以上にシートが高く小排気量車でも900mm近い車両が有ります。そうした事情も有り、試乗時少し緊張しましたが、FX Sはシート高836mmで日本車並みにフレンドリーでした。CRF250MやWR250Xといった国産モタードに乗っている方なら全く不安を感じないと思います。車両重量もそれらの車種よりも軽い為、感覚としては250ccモタードと同等か少し大きいかも?という感じでした。これもコンパクトな車体ながら44馬力、トルクだけなら9.68kg・mとアフリカツイン相当です。
ちなみにFX Sは2台が試乗車として用意されていて、もう一台にはモトサービスエッジ様の制作したドライカーボンのシュラウドが装着されていました。ブラックベースのFX Sのボディにカーボン柄が見事なアクセントです。
ガソリンエンジン車とは異なる車体レイアウト
まず電気自動車もそうですが、低速トルクに優れるモーターで駆動する都合上、クラッチが有りません。今回の試乗車も左レバーが存在せず、一部はリアブレーキとなっていました。
そういう仕様のため、この日の試乗会はAT免許可というMT免許の無いライダーにも優しい設定。
電動バイクに関する免許制度はまだ未整備な部分も有り、大型バイク相当の性能が有っても区分上は中型扱いです。
電動バイクゆえの低騒音に驚き
今回複数台の試乗車が並んで順番を待っていましたが、どれも待機状態になっているのに騒音が0というのは非常に印象的でした。バイクの場合、特に大排気量車はアイドリング音がそれなりに大きいのに対し、電動バイクはエンジンを切っているのと同等の低騒音です。それでもアクセルを開ければスッと発進するというのは何とも不思議な感じでした。
バイクのアイドリングは煩いものといつの間にか思っていましたが、この日の会場が非常に静かだったのは電動バイクの特徴を良くあらわしていたと思います。
低振動と高トルクが非常に印象的
この日の試乗コースは比較的車の通りが少ないルートで設定して頂きました。ゼロモーターサイクルズの加減速の具合を見るには最適なルートです。
モーター特有のトルクを活かした中低速からの加速はガソリンエンジンの大型バイクと比較しても遜色なく、エンジンからの振動が少ない分スーッと車体を前に進めてくれます。ガソリンエンジンの場合、二気筒でも四気筒でも速度と回転数が上がる過程で走行フィーリングやエンジン音の変化が出る物ですが、モーターの場合その辺りは非常にスムーズかつ静かです。一方トルクが有る割にアクセルオン時の癖が無く、スポーツモードでもライダーの求めるパワーと実際が綺麗に一致します。分厚いトルクを活かした荒れ馬という感じではなく、むしろフラットなトルク特性で非常にジェントルな乗り物です。
「曲がる」という部分に関しては、例えばマニュアルトランスミッション車の試乗の場合、コーナーでのギアの選択を探りつつ回転数を意識して走ります。この時ギアや回転数が合っていれば気持ち良く、合っていないとどこかもたつくものです。SRやFX Sでは何気なくコーナーに入っても挙動に乱れが無く、出口でも思い切ってアクセルを開けて姿勢を変えることが出来ます。この辺りは例えば同じAT相当に動作するDCTと比較しても非常にスムーズでした。
個人的には4気筒のスムーズな加速感を好む方には電動バイクのフィーリングはかなり相性が良いと思います。一方、地を蹴るような強いトラクション感と鼓動が身上の単気筒の荒っぽさとは正反対です。
今後の日本展開は?
残念ながら、現状ゼロモーターサイクルズは自社ディーラーを日本国内で展開していません。しかしモトサービスエッジ様では現地ディーラーと連携して車体を輸入し、購入後のサポート面でも充実させたいとのことでした。
TEAM MIRAIの岸本様からは電動バイクのツーリング時の使い勝手を伺うことができました。気になるツーリング先での充電に関しては、国内の充電スポットが充実してきており、充電時間をしっかりスケジュールに組み込めばツーリングにも安心して使えるそうです。
ちなみにゼロモーターサイクルズのバイク自体は電動バイクの中では比較的購入しやすい価格設定になっています。エネルジカなどは300万以上しますし、その辺りを考えると電動バイク入門機としては非常におすすめです。
今回試乗したSRがアメリカ本国の価格で16000ドルですから、単純に日本円で換算すると170万円くらいでしょうか。FX Sは8500ドルなので丁度100万円くらいとなります。
この金額以上の国産バイクは沢山有るので、電動バイクという特殊性も含めると極端に高額な価格にはなっていない印象です。もし購入したい場合はモトサービスエッジ様でもTEAM MIRAI様でもご対応頂けるとのことでした。